#92 関西紀行 紀伊半島最高峰の大峰山へ

2020年11月1日日曜日
関西2日目

今朝は寝坊して弥山登山口を6時30分出発。
空を見上げると、どんよりとした雲が見下ろす。
昨日の地上の楽園のような大台ヶ原山の大パノラマは期待できまい。

今日は奈良県にある大峰山最高峰である標高1915mの百名山である八経ヶ岳を登る。
歩行時間6時間30分 距離数は10.4kmだ。

弥山登山口から歩き始めると紅葉のトンネルに出くわし、その優雅な紅葉にうっとりする。
橋を渡ると約1時間の直登があり、これが結構キツイ。
我慢して登ると稜線上の奥駈道出合(おくがけみちであい)に着く。
遠くに山伏の法螺貝が聞こえる。
修行の合図なのだろうか。
法螺貝の音色を耳にすると紀伊半島に貫く大峰山脈に来たと実感する。

ここからしばらく平坦な道を歩くのだが、風が強くなり、雲行きが怪しくなった。
他登山者は雨具に着替えていた者もいたが、ザックから雨具を取り出すのも面倒なのでそのまま登ることした。
どうか雨だけは降らないでくれと念じながら登る。

苔むした倒木が取り囲む森を粛々と歩く。
弁天の森を越え、大峰中興の祖と呼ばれる理源大師聖宝の座像がある聖宝の宿跡に着く。

ここから弥山までは聖宝八丁と呼ばれる急登が待っていた。
よく整備された木製の階段を40分ほど登り続けると弥山小屋に着いた。
コロナ禍でも山小屋は営業していた。
山小屋周辺の休憩場所は、さすがに百名山だけにわんさか登山者があふれ、カップヌードルを食べたり、コーヒーを飲んだりして楽しく雑談していた。

弥山小屋から鳥居をくぐり、弥山山頂に行くと天河弁財天の奥宮があった。
どうやらここが弥山頂上らしいが、ガスに囲まれて特に印象はなかった。
きっと初詣は参拝者が立ち並ぶ光景なんだろう。

弥山山頂から大峰山最高峰である八経ヶ岳へ縦走する。
時折り、ガスが見え隠れ、少しづつ大峰山脈が見える。
防鹿柵のゲートを越えて20分ほどの急坂を登りきるとようやく10時過ぎに八経ヶ岳に着いた。

八経ヶ岳山頂からは360度の展望が望めるはずだったが、あいにく東方の奈良県市街方面の山々しか見えなかった。
まぁ心配した雨は降らずにすんだのでこれでよしとしよう。

山頂で軽くカップヌードルを啜る。
少しずつ登山者が増え始め、にわか賑やかだ。
ガスが徐々に抜けて青空が広がる。
もう雲海の上にいるんだ。
登山者の笑顔が輝いてみえる。

皆大変な思いで奈良県の奥深い山道をドライブし、4時間前後かけて登ってきたのだ。

山頂で30分ほど過ごし、弥山登山口に下山する。
すっかり晴れ上がり、往路は見えなかった山々の紅葉が見えてよかった。

13時過ぎに弥山登山口に戻り着く。
時間が余ったのでいつものように観光ドライブすることにした。
吉野川を挟んだ山集落が素朴な感じでよかった。
道の駅杉の湯 川上で焼魚の鮎を頬張る。
さらに北上して、道の駅宇陀路大宇陀(うだじおおうだ)に立ち寄る。
この道の駅は奈良県でも屈指の人気の道の駅だ。
人が多く混雑していた。
適当にブラブラ時間を過ごしたら17時過ぎになった。

気になる明日の天気は、奈良、滋賀、大阪は雨マークだった。
明日の行動予定は、滋賀県にある百名山伊吹山に登る予定だったが、雨マークなのであきらめた。
明後日の3日はなんとか天気回復しそうなので3日に登ることに決めた。

では明日はどう過ごすか。
道路標識に和歌山の文字が目に入った。
ナビで確認すると、ここから1時間50分ときた。
気になる和歌山天気予報は10時までは天気は持つみたいだ。

考えてみると、本州で唯一足を踏んでいないのが和歌山だった。
急遽、和歌山に行くことに決める。
橿原から京奈和自動車道に乗り、高野山紀の川を経て今晩の宿泊先である道の駅 ねごろ歴史の丘に着いたのは19時過ぎだった。
予期せぬ和歌山ドライブでさすがに疲労が溜まった。
いつものようにコンビニ弁当、ビールをすませて20時過ぎにシュラフに潜り込んだ。


百名山81座 残り19座

本日の走行距離191km




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登山口から出発です。
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稜線の奥駈道出合です。
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大峰山稜線の弁天の森。ガスで何も見えません。
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聖宝八丁の木製の階段
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弥山山頂。
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八経ヶ岳をついにとらえる。
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八経ヶ岳山頂からの展望。
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少しずつ晴れ上がりました。
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下山途中の見事な紅葉。
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吉野川の山集落は落ち着いた佇まいでした。


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#91 関西紀行 絶景の高原散策に感動

2020年10月31日土曜日
関西初日

前日は大学時代のゼミ仲間4人で御茶の水の居酒屋で22時まで飲んだ。
久しぶりの再会なので楽しい宴だった。
それぞれ社会で活躍しており、頼もしい限りだ。
23時30分過ぎに帰宅後、2時間就寝。
深夜2時30分過ぎに自宅を出発し、東名に乗って奈良県大台ヶ原山駐車場に着いたのは10時過ぎだった。

今日は標高1695mの百名山である奈良県にある大台ヶ原山を登る。
歩行時間は4時間で距離数7.2kmだ。

大台ヶ原山は日本有数の多雨地帯で雨に刻まれた深い渓谷が周辺を取り囲み、大台ヶ原山自体は平原と呼ばれる台地と資料に記されていた。

今日は絶好の山日和だ。
なんと雲ひとつもない紺碧な青空が広がっている。
紅葉シーズンも重なり、100台駐車収容可能な大台ヶ原山駐車場は満杯状況。
駐車場からおよそ200m下り、路肩に駐車するはめになる。
とにかく凄い車の行列だ。

路肩駐車から7分ほどドライブウェイを登り、大台ヶ原山駐車場に着く。
駐車場の脇にビジターセンターに立ち寄り、大台ヶ原山の自然環境のパネル展示を観賞して登山前に予習をした。

当駐車場から緩やかな登山道を歩く。
紅葉と原生林の間の登山道は実に気持ちいい。
もみじからの木漏れ日が癒される。
マイナスイオンを吸う度に胸の中が爽やかになる。

ほどなく急坂を登りきると大台ヶ原山の最高峰である日出ヶ岳に登頂する。
日出ヶ岳山頂からの眺めはまさに絶景だった。

東方に伊勢志摩、尾鷲湾、伊勢湾が紺碧な空を反映して広がっている。
今夏に伊勢志摩に観光しただけに愛着があった。
南方に近畿の最高峰である八経ヶ岳を中心に大峰山脈が一望できた。
明日は八経ヶ岳に登るので闘志が湧いた。

それにしても雲ひとつもない紺碧な空とは。
登山者からはこのような景色は見たこともない、絶景だ、綺麗だ との声が飛ぶ。
自分もその一人であり、この絶景を堪能した。

山頂から去りがたいが、次の目標である大蛇ぐらを目指す。
正木峠から正木ヶ原は、ボードウォークの上を歩くルートだがこれが実に爽快だった。
遮ることのない開放感たっぷりの大パノラマで、伊勢志摩、伊勢湾、大峰山脈を眺めつつ散策できるのだ。

あまりにも絶景だったので自画録りをしたところ、通りすがりの女性に撮りましょうかと声をかけてくれた。
今日は快晴で紅葉も山も海も綺麗ですねと素敵な笑顔。
今度は自分がお撮りましょうかと声をかけた。
いや、自然が撮りたいので自分の姿は、あまり撮りたくないと言った。
お気をつけてくださいと軽く会釈した。
笑顔が素敵な美人さんだった。

正木ヶ原から牛石ヶ原を歩くと、ほどなく大蛇ぐらに着く。
大蛇ぐら展望台の前は登山者が並んで渋滞中だ。
不動返しの岩塔、大峰山脈の壮観なビューポイントを記念撮影するために並んでいるのだった。
自分は30人待ちだったが、20分ほどで展望台に立った。

そこは下を見下ろすと絶壁であり、滑落しないように鎖で繋がれていた。
さすがに20分並んだ甲斐があり、紅葉の断崖、大峰山脈の大展望は見ごたえがあった。

大蛇ぐら展望に大満足した後は、1時間ほどでシオカラ谷へ急降下する。
吊り橋の下に流れる清流が透き通って気持ちいい。
少し小休止してから針葉樹林の中を45分ほど登ると大台ヶ原山駐車場に戻り着いた。

今日は快晴に恵まれて最高の山歩きだった。
余韻を残しつつ、明日八経ヶ岳に登るために弥山登山口に移動する。
大台ヶ原山駐車場から1時間で、16時過ぎに弥山登山口駐車場に着いた。
弥山駐車場の周囲も紅葉真っ盛りだ。
明日も快晴であるように願う。

百名山80座 残り20座

本日の走行距離515km



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大台ヶ原山の登山道は気持ちいい。
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最高峰日出ヶ岳に立つ。
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伊勢志摩がくっきり。
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尾鷲湾 伊勢湾がくっきり。
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大峰山脈がくっきり。
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気持ちのいいボードウォーク。
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正木ヶ原で鹿に会いました。
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大蛇ぐら展望台からの眺望。
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シオカラ谷のマイナスイオンはGOOD。
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弥山登山口も紅葉真っ盛り。


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#90 岐阜紀行 紅葉から樹氷に面食らったぜ

2020年10月25日日曜日

前日は午前11時過ぎに自宅を出発し、長野県飯田市にある下栗の里に立ち寄る。
そこは天空に聳える里山風景であり、堪能した。
下栗の里から岐阜県中津川市経由恵那山登山口である神坂峠(みさか)まで2時間要した。

19時過ぎを回り、神坂峠を登っていくにもガスがひどく3m前方視界ゼロ故に10km前後減速で前を進む。
途中で鹿に遭遇し、思わずぶつかりそうになった。
やれやれ神坂峠駐車場に20時過ぎに着き、既に満車状態だ。
コンビニで買った幕の内弁当とビールで腹を満たす。
今日は363km走っただけに疲労が溜まっているのでそのままシュラフに潜りこんだ。


午前5時過ぎに起床。
ルームミラー越しにオレンジ色の朝焼けが見えた。
ドアから降りると外気が冷たいが気持ちいい。
風の動き、空模様から今日は晴れであることを確信した。

今日は岐阜県にある標高2191mの百名山である恵那山(えなさん)に登る。
歩行時間7時間20分、距離数12.7kmであるが、南アルプスの展望が望める稜線がいいとの情報があったので楽しみだ。

6時過ぎに恵那山登山口道標を後に登山開始。
出だしは、さほど急坂でもないが丘を登る感じだ。
笹道に出ると眼下に雲が垂れ込む中津川市街が見えた。
東方は朝日が昇り、オレンジ色が眩しい。
さらに笹道を登ると富士見台山頂に着く。

ここからは南アルプスをはじめ、朝日を浴びる恵那山が素晴らしく絶好のロケーションだった。
風が少々強いが、この素晴らしい展望なら我慢できるぞと自分を鼓舞する。

気持ちのいい笹道をアップダウンすると、ほどなく鳥越峠に着く。
鳥越峠の紅葉は真っ盛りで見ごたえがあり、シャッターを何度も切った。
快晴なので青空に映える紅葉が綺麗だ。
やはり紅葉は青空に似合う。

鳥越峠から本格的な山道となり、高低差が大きいルートに耐えてひたすら登り続け、大判山、天狗ナギを越えたあたりで樹氷の世界に入っていく。
この樹氷の道は幻想的だった。
原生林の枝葉に樹氷が覆い、霜柱で白く敷き詰められた道を登る世界はなんとも形容し難い。

急坂の白い道を1時間登りきると青空を突き抜ける樹氷の林立に絶句する。
樹氷の林立に存分に堪能しつつ、30分ほど登ると待望の恵那山頂に9時30分過ぎに着いた。
山頂からシラビソに遮られて展望はないことは既に知っていたので特に悲嘆はなかった。

さすがに百名山だけに登山者は多い。
快晴と紅葉と樹氷に登山者の表情はすっかり満足な様子だ。

とどめは山頂避難小屋の小高い岩から望むパノラマ風景だろう。
富士山、南アルプス主峰の北岳間ノ岳農鳥岳甲斐駒ヶ岳中央アルプスも見えて最高だった。

恵那山は紅葉、樹氷、大パノラマを堪能し、満足した山旅だった。

往路を下山し13時過ぎに神坂峠に着く。
時間が余ったので、いつもように観光しようと地図を広げると苗木城跡に目がとまる。

神坂峠から1時間で中津川市内にある現地に着く。
現地パンフレットによると、戦乱の時代から江戸時代まで続いた苗木遠山家の城跡とある。
頂上にある天守は、岩山という制約された土地の上に建てられたと記されており、天然の巨岩と石垣を巧みに使った城郭は全国でも大変に珍しいとある。

なるほど、巨岩の上に天守閣を建てた当時のエネルギッシュな技術と英知の結集に思いを馳せた。
自分は天守閣の名残のある展望台に立った。
つい先ほど登山した恵那山、中津川市街を望む光景にしばし心を癒した。
そして当時の城主が戦乱の中で城を死守する思いを重ね、世の栄枯盛衰をしばし考えた。

百名山79座 残り21座

本日の走行距離数 363km 往復726km


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早朝の中津川市街です。
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富士見台から朝日を浴びる恵那山です。
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紅葉真っ盛りです。
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綺麗な樹氷の世界でした。
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恵那山頂上。
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富士山、南アルプス農鳥岳が見えます。
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富士山の次に高い南アルプス北岳が見えます。
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富士見台から南アルプスを一望。
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苗木城跡天守展望台から中津川、恵那山を一望。

10月24日
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長野県飯田市にある下栗の里です。
標高1000mの山腹を大きく切り開いた、人口100人に満たない小さな山里でした。
日本のふるさと100選にエントリーされています。


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#89 新北海道紀行 積丹ブルーに息を呑んだぜ

2020年9月21日月曜日
17日目 最終日

道の駅 よってけ!島牧 いつもように6時過ぎ起床。
昨晩は豪雨の音で何度か目を覚ましたが、雨が上がっているようだ。
今日は最終日にふさわしい快晴になりそうだ。

苫小牧フェリーターミナル18時着に合わせてドライブ観光する。
いつものようにパスタとおにぎりを食べて7時過ぎに道の駅を出る。

229号を北上すると、ほどなく弁慶岬に着く。
そこは武蔵坊弁慶の石像が立っていた。
この地に弁慶の石像は意外であるが、以下の看板案内で謎解きできた。
弁慶岬の由来は、看板案内にこう記されていた。
奥州を逃れた義経、弁慶一行は蝦夷地に渡り滞在。
弁慶の毎日この岬に立って同志の到着を待つも再会かなわず。
その待つ弁慶の姿を見たアイヌ人はこの岬を弁慶岬と呼んだそうだ。

弁慶の一途な思いと見届けるアイヌ人の愛情が伝わるいい話だと思った。
弁慶岬の駐車場に釣人が多くいる。
訊くとホッケ、カジカ、ブリ、クロソイが釣れるそうだ。
ホッケが釣れるとはさすがに北海道だ。
この地に住む人が羨ましい。

229号をさらに北上し、岩内町神恵内村を過ぎると積丹半島の先端にある神威岬に着く。
ここは2008年以来だ。
あの当時も今日と同じ快晴だったので透き通った青色が見れると思うとワクワクする。

カムイとは神を意味しており、古くからアイヌのパワースポットとして信仰されていた。
現在は縁結びのご利益があるとされて女性に人気があるスポットとなっている。

神威岬駐車場から遊歩道を15分ほど歩くと神威岬に着く。
海の底まで見える透き通った薄明かりのブルーに息を呑んだ。
ローソクに似る大岩は、広いブルーの上に聳え立ち、厳とした風格がある。
潮風も心地よく、30分ほど眺め続ける。

神威岬から10分ほど車を走ると島武意(しまむい)海岸駐車場に着く。
車を降りてトンネルをくぐると眼前に眩しい日本海が飛び出してきた。
まさに積丹ブルーの美しさだった。
展望台から階段を降り、波打ち際の浜辺を歩く。
最高の遊歩道だった。

積丹半島をぐるり一周して余市町に着いた。
余市といったらニッカウウイスキー工場だ。
ここは1982年以来だ。
あいにくコロナ禍で完全予約制の入場制限で工場見学はできなかった。
工場の正面玄関前で記念撮影に納める。

途中に余市のリンゴ、とうもろこし等を生産販売している父娘が働く店に立ち寄る。
高校生の娘さんが一生懸命働いていたのでリンゴととうもろこしを買う。
その場で食べて美味しいというと、娘さんは笑顔満開でピースサインを出した様子は微笑ましかった。

余市から5号を走り、ほどなく小樽運河に着く。
小樽運河は全長1140mあり、63基のガス灯がある石造倉庫であり、大正12年に完成。
倉庫界隈は飲食店、スイーツ店、土産物店、ガラス、オルゴール店が立ち並び、混雑していた。
駐車場は満車で散策はあきらめた。
5号線の路肩で一時駐車し、小高い岩を登って写真を撮るありさまである。

札幌駅から札幌羊ヶ丘展望台へ16時過ぎに着く。
「少年よ 大志を抱け」の名言を発したクラーク博士の銅像が今も変わらず立っていた。
展望台から見える広い草原の向こうに札幌ドーム、札幌市内が望めた。

そうこうしているうちに16時30分過ぎとなり、苫小牧フェリーターミナル18時に間に合わせるため、スピードを上げて走る。
36号を走り、恵庭市千歳市、厚真から苫小牧フェリーターミナルに予定通り18時に着いた。

19時30分出港まで時間があるので一旦フェリーターミナルから車を走り、20分ほどでむかわ町のコンビニ セコマートに着く。
いつものパスタを2個買う。北海道初日から世話になったセコマートのパスタだ。
夕食と朝食の大事なパスタであり、旅の思い出が強く残るパスタでもある。

18時50分にフェリーターミナルに戻る。
長かった北海道の旅も今日で終わりだ。
気がついたら17日間過ごしていた。
よもやの悪天候でここまでもつれるとは想定外だったが、北海道の生活の息吹を感じ、自身を見つめ直す良い時間だった。

北海道でお世話になった方々にあらためて感謝の気持ちを伝え、新北海道紀行に幕を閉じたい。

読者の皆さん
拙い記事を最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

本日の走行距離 318km

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弁慶岬から眺める日本海は幻想的です。
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神威岬からシャコタンブルーを眺める。
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島武意海岸の波打ち際です。
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ニッカウウイスキー工場の正面玄関前です。
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余市でリンゴを買ったら喜ぶ素敵な笑顔の娘さん
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小樽運河の表通りは静かでした。
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2011年以来の札幌駅です。
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札幌羊ヶ丘でクラーク博士銅像ポーズを決める。
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今晩最後の夕陽です。
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1個110円のパスタは自分の生活費を支えてくれました。
安くて美味くて最高でした。



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#88 新北海道紀行 道南ドライブを満喫

2020年9月20日日曜日
16日目

海に面した道の駅 虻田(あぷた)でいつものように6時過ぎに起床。

今日は1日中☀️予想だ。
目標の百名山3座登頂を果たし、いくらか心の負担が軽くなる。
北海道の旅も明日で終わりだ。
存分にドライブを楽しもう。

7時過ぎに道の駅 虻田を出発し、恵山(えさん)岬を目指して5号を走ると8時過ぎに長万部駅に着く。
長万部はおしゃまんべと読むが、誰も読めないだろう。
駅弁かにめしが有名であるが早朝のため店は開店していなかった。
とりあえず長万部駅を記念撮影に納めて5号を走ると、途中に 榎本軍鷲ノ木上陸地跡 の道標を目にする。

駐車場に車を停め、浜辺に向かって5分ほど歩くと
目的地に着いた。
看板に記された資料によると、1868年(明治元年)10月榎本武揚が率いる旧幕府軍3000名が軍艦8隻共に上陸した地点とある。
この地を拠点に箱館へ進軍開始し、いわゆる箱館戦争に突入するわけだ。

ここで榎本武揚のことを少し触れる。

榎本武揚はその人間的な魅力と知性、リーダーシップを兼ね備えて数奇の人生を歩む。
まず凄いのは蝦夷共和国の総裁となるわけだが、新政府軍に敗れてロマンは破れる。
榎本武揚の才能を見込んだ敵将黒田清隆の尽力で助けられる。
その後は、日本に尽くし農商務大臣、外務大臣を歴任しロシアと樺太千島交換条約を締結させている。

また教育にも力を入れており、東京農業大学創立者でもある。
東京農業大学のキャンパスに榎本武揚銅像を見たことがある。

今の日本は榎本武揚のようなスケールの大きい人材が求められていると切に思う。

森町で278号を走り、旧家が密集する狭い道を走り抜くと10時過ぎに恵山岬に着く。
灯台公園が整備されているが特に印象はなかった。
ただ渡島半島の東の最先端に行きたかっただけだ。

恵山岬から函館市街へ走る。
函館といったら函館山と朝市だ。
函館山ロープウェイはコロナ対策で運行開始時間が
11時30分に繰り下げられた。
仕方がないので30分立って待ち続けたが、既に200人が立ち並び状態だ。

ロープウェイは数分程度で函館山頂上に着く。
函館山の標高は、東京タワーより1m高い334mだ。
この高さからは、大パノラマの展望だ。
津軽海峡と函館湾を挟んだ函館市街は一見の価値がある。
さすがに世界三大夜景(香港、ミラノ、函館)と言われるだけのことがある。
時間の関係で夜景は見れないが、次回の楽しみにとっておきたい。

函館朝市は約250店舗並んでいると訊いていたが、そんなにないように思われた。
コロナで閉店した店が多くあるからだろうか。
賑やかな通りを歩くと500円丼の看板が目についた。
そこで昼飯に海鮮丼を食べることにした。
500円の割にはボリュームがあり美味った。
ここは得した気分になった。
その後は金森赤レンガ倉庫を散策し、函館で3時間過ごす。

函館からは津軽海峡に沿って渡島半島を一周する。
このドライブコースは初めてなのでワクワクする。

函館市街から228号を走り木古内町知内町を通過して福島町に着く。
福島町といえば大横綱 千代の富士の生まれ故郷だ。
道の駅 横綱の里ふくしまの周りは、のぼりの旗がはためいてた。
さながら両国国技館の雰囲気だ。
相撲ファンが記念スタンプの前に長蛇の列だ。
隣接地に千代の山千代の富士記念館が併設。
時間がないのでここはパスする。

福島町から北海道最南端の白神岬を越え、松前城に受付最終時間の16時30分に着く。
松前城は、松前藩江戸幕府に命じられ、1855年に完成。松前城は当時ロシア軍艦が行き来しており、北方監視するための城だったようである。
北海道唯一の城でもある。

松前城を17時過ぎに出発し、渡島半島をただひたすら北上する。
江差町、せたな町を通過し、今晩の車中泊である道の駅 よってけ!島牧 に着いたのは20時30分を回っていた。

今日もよく走った。
いよいよ明日は最終日だ。
天気予報は快晴だ。
シャコタンブルーの夢を見て寝ることにしよう。

本日の走行距離 533km

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今朝の道の駅 あぷた から見た海辺です。
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2008年以来の長万部駅です。
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榎本軍が上陸した場所です。
10月に上陸して積雪30cmあったようです。
暖冬の今では考えられませんね。
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渡島半島最東端の恵山岬です。
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函館山から津軽海峡と函館湾を挟む函館市街を望む
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函館朝市で500円丼をペロリ。
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金森赤レンガ倉庫と波止場。
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北海道最南端の岬である白神岬。
下北半島が見えます。
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道の駅 横綱の里ふくしまと横綱千代の山千代の富士記念館。
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北海道唯一の城である松前城




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#87 新北海道紀行 待望の羊蹄山に立つ

2020年9月19日土曜日
15日目

羊蹄山登山口である真狩キャンプ場を6時出発。
予想通り今朝から☀️だ。

今日は標高1898mの百名山である羊蹄山に登る。
羊蹄山は富士山の山容に似ていることから、蝦夷富士ともいわれている。
独立峰であるゆえに気象変化が激しいことで有名な山である。
登山時間は往復9時間20分、登山距離は12.7km、標高差1646mのハードなルートである。
山頂付近に避難小屋があるものの、コロナ対策により宿泊禁止とされており、日帰り登山となる。

待ちに待った羊蹄山登山だ。
この日を迎えるために日高海岸で3日間待機したのだ。
見返りはきちんともらうぞ、そんな感じで気持ちで
登る。

一合目から急登のジグザグが続く。
エゾマツが抜けたあたりの3合目から朝日が眩しくなる。
霧に覆われた洞爺湖、道南山脈の峰が見え、テンションが上がる。
久しぶりに見る青空の山風景に気持ちが明るくなる。

スズメバチに刺された右腕は、少し重たい感じが残っているが、なんとか登れそうだ。
この素晴らしい山風景は7合目まで続いた。

8合目あたりから妙な風が南から北へ強く吹く。
気にしないでそのまま登り続けると、足元にガスが迫ってくる。
そして瞬く間にガスの真っ只中に自分はいた。

えっ。嘘やろ。
低気圧は昨日午後に太平洋へ抜けたやろ。

羊蹄山の独立峰による激しい気象変化を受けたことを知る。
寒気がするが、まだ霧雨は降っていないのでこのままダケカンバ林の急登を耐えて登る。

9合目に向かう途中で下山者とすれ違う。
8時30分過ぎに、ここで下山するとは考えられない。
理由を訊くと前日の豪雨にたたれて下山できなくなり、遭難寸前のところで9合目にある避難小屋に泊まったとのこと。
本来は、コロナ対策で宿泊禁止であるが、万が一の遭難に備えるため、管理人はいたそうで助けてくれたと。

確かに昨日の雨は半端ない豪雨だった。
そんな豪雨の中で登山するのはどうかと思う。
下山者は3人で皆、罰を受けたように気まずく、肩を落としていた。
よほど管理人さんに叱られたのだろう。
厳しい罰則を受けなければいいのだが。。

気をつけて下山くださいと伝え、自分はひたすら前を進む。
9合目から尾根上を登ると強風となり、霧雨が降ってきた。
たまらず雨具を着替える。

今回の北海道の山登りはガスガスガスの連続で慣れっこだが、まさか羊蹄山までガスとは想定外だ。
手の感覚が寒さで麻痺しそうなので手袋をはめる。

ここから頂上までは、強風と霧雨を正面に受けつつ、足元の悪い岩場を1時間よじ登り、ようやく羊蹄山山頂に10時過ぎに着いた。
さすがに人気のある百名山だけに登山者が多い。

誰もが今日の天気予報、今朝の快晴を見てこのような悪天候に変わるとは信じられない顔をしていた。
これが山の天気なんだ。

何事も絶対はない。
順風満帆でもリスク配慮が必要だ。

下山開始する。
9合目を過ぎたあたりで登頂をあきらめて引き返す登山者が何人もいた。
ガスで何も見えない山頂は登る気がないのだという。
気持ちはわかるが、1時間で登頂できるので頑張ってくださいと声をかけた。

下山して7合目あたりで登りと同じ山風景が見えた。ガスの下にいることがわかる展望だ。
山頂からの展望は見えなかったが、7合目からの眺めは素晴らしく満足だ。
日高海岸で3日間待機して登ったかいがあった。
この3日間は貴重な体験を積み、さまざまな出合いがあった。
北海道で過ごした日々は決して無駄がなく、意味があったんだと心底思う。

そして5合目、4合目を下り、3合目の道標を見ると、なぜか胸に寂寥感が迫ってくる。
胸に空洞ができるような感じだ。
もうこれで旅が終わってしまうんだ。
いよいよカウントダウンが始まるのだ。

一歩一歩、しっかりと登山道に靴を踏みつける。
2合目の道標にたまらず小岩に腰を下ろす。
まだ下山したくない、ここから去りたくない気持ちが強いのだ。
すっかり晴れ上がった日射しは、森林に降り注ぐ。
この静かな森林風景を、淹れたてのコーヒーを飲みながらしばし眺めた。
思いっきりマイナスイオンを吸う。
胸のつかえが取れてすっきりした。

真狩キャンプ場に14時30分に着く。
遠くから登山者の声が聞こえる。
今朝の快晴から悪天候に変わる展開は考えられないといったような気落ちしたような会話だった。
自分はこう言う。

山は絶対はないのだ。
またチャレンジすればいいじゃないか。

室蘭は快晴だと観光案内所の情報で室蘭に向かう。
真っ青な水平線を見たくなったのだ。
真狩キャンプ場を15時に出発する。
豊浦から37号を走り、室蘭港を白鳥大橋で渡ると16時過ぎに地球岬に着く。

地球が丸く見えるといわれる地球岬に初めて立つ。
予想通りの快晴だ。
海が紺碧な色で文句のつけようがない美しさだ。
週末ということもあり観光客が多く、素晴らしい景観に歓喜に満ち溢れていた。
道南の方々は秋雨前線により、長い間太陽を拝めなかったので歓喜の気持ちがよくわかる。
少なくとも10日間は☔☁️だったのだ。

地球岬を心行くまで堪能した後は、室蘭の日帰り温泉「ゆらら」でひとっ風呂する。
登山後の疲労を1時間かけてそぎ落とす。
まだ右腕が滲みて痛いが我慢する。

さて今晩の車中泊は道の駅 虻田(あぶた)だ。
明日は函館から渡島半島を回ろうぞ。

百名山78座登頂 残り22座

本日の走行距離 120km

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早朝の洞爺湖は霧に覆われ、幻想的でした。
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羊蹄山の山頂が見えます。
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快晴でテンションも上がります。
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さらに高度をあげる。
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雲が下に見えました。
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不穏な雲の動き。
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待望の羊蹄山山頂です。
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下山時の洞爺湖と真狩市街。
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真狩キャンプ場と登山口です。
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室蘭港の白鳥大橋を走ります。
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地球岬はいい眺めだった。
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室蘭は初めての観光です。
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ゆららでまったり。


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#86 新北海道紀行 風光明媚の支笏湖に感動

2020年9月18日金曜日
14日目

道の駅 むかわ四季の館で7時過ぎに起床。
前日の夜から雨が強く降り続ける。
この雨は昼過ぎに上がり、想定内だ。

午後から羊蹄山登山口の真狩村に移動するため、午前中は、むかわ四季の館で温泉に浸かることとした。
館内にノーベル化学賞を受賞された、むかわ町出身の鈴木章氏の功績を称え、足跡の写真が展示されていた。
自筆で「鵡川の流れのように世界へ」「精進努力」と、したためられていた。

まだ違和感のある右腕を温泉に浸からないように神経を使って入浴する。
温泉に浸かると痺れがあるからだ。
2時間ほどまったりし、12時過ぎに外に出ると案の定、雨が上がってきた。
予定通り12時15分に道の駅 むかわ四季の館を出発する。

235号を走り、苫小牧を抜けて276号に乗り換えて1時間15分ほどで支笏湖温泉に着く。
支笏湖畔の裏道を走り、適当な駐車スペースを見つけて湖畔に立つ。
湖畔から眺めた支笏湖は、雨上がりの影響も手伝ってか、まるで墨絵の如く風光明媚な風景だった。
今日ピカ一のビューポイントである。
この風景を眺めることができたことを感謝しつつ、次は洞爺湖に向かう。

洞爺湖に向かう途中に壮瞥町フルーツ街道に出合う。早くもリンゴとプラムがなっていた。
リンゴ畑を見ると秋であることが実感できる。

壮瞥町といったら大横綱 北の湖の生まれ故郷だ。
横綱北の湖記念館の看板があったので車を停めて入ることにした。
雲龍型土俵入りの等身大像、優勝額の展示に息を呑む。
郷土が誇る英雄を町をあげて称えていることに感銘を受けた。

洞爺湖サイロ展望台からの洞爺湖も眺めもよかったが、支笏湖の眺めが一枚上手だった。
大型バスが6台駐車していた。
観光客は札幌の中学生の観光旅行のようでサイロ展望台が一気に賑やかになる。

サイロ展望台から真狩登山口までは40分だ。
17時を回り、日が落ちるのが早くなってきた。
夕陽を浴びる羊蹄山の山頂付近が神々しく見える。
まるで早く登れよと言わんばかりの表情だ。
王者の風格がある。

誰がどう考えても明日は☀️であることは疑う余地がない。
まだ違和感のある右腕を左手でマッサージする。
体調もいいし、食もよく通る。
登山できる喜び、感謝の気持ちで挑みたいと心底思った。

真狩登山口駐車場から見上げる星は燦々と輝く。
トムラウシで見た青白い光を放つあの星と同じだ。
星空に向かって合掌する。
そして20時過ぎにシュラフにもぐり込んだ。

走行距離 171km


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むかわ四季の館内にある鈴木章記念ギャラリー。
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ワイン色の露天風呂。
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風光明媚な支笏湖に感動です。
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壮瞥町へ行く途中のひとこまです。
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壮瞥町フルーツ街道
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横綱北の湖記念館の展示は圧倒されました。
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サイロ展望台から洞爺湖を眺める。
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昆布岳の風景。
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夕陽を浴びる羊蹄山に闘魂燃える。
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明日は良い日でありますように。


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#85 新北海道紀行 様似はリフレッシュ最高

2020年9月17日木曜日
13日目

道の駅 みついし昆布温泉で6時過ぎ起床。
いつもと違う朝を迎えたのは、右腕が鉛のように重く、痛さを超えた痒さであった。
時折り、右腕を左手で当ててマッサージする。
恐るべしスズメバチの毒針だ。

昨日の天気予報は☔だったが今朝の予報は☁️だ。
昨日の同じ予報だ。
羊蹄山を控えるニセコ、札幌、函館方面は相変わらず☔で道南方面に進めない。
19日20日は☀️予想だ。道南の☀️マークはおよそ7日ぶりではないか。

明日18日は日高から羊蹄山登山口である真狩(まっかり)に移動し、19日羊蹄山登山を決断する。
苫小牧フェリー乗船日を17日から21日に変更する。
シルバーウィーク4日間を利用して旅が長続きできるのが嬉しい。

昨日の診療費と薬を払うため、8時40分に浦河赤十字病院着いて現金で払う。
救急診療対応なので割高料金を覚悟したが、良心的な請求費で安堵した。

日高海岸は今日で見納めとなるので、ゆっくり観光しようと考えた。
浦河赤十字病院から太平洋に沿って20分ほど走ると様似(さまに)駅に着く。
様似駅は苫小牧からの日高本線の最終駅だが、2015年に高波災害が発生してから鵡川(むかわ)駅から様似駅まで116kmの区間は運休状態となっていた。
地元の人は代行バスで移動しているようだ。

様似駅の隣合わせに様似観光案内所がある。
扉を開けて中に入ると地元物産品が所狭しに並ぶ。
ひときわ目立ったのが、さまに産すずあかねと表示された「いちご」だった。
当案内所の窓口であるSさん(女性)によるとここ数年に様似町はいちごファーム育成に強化しているとのこと。
様似町役場がいちごファームを経済的、技術的に支援しており、経営者は北海道以外の方が多いとか。
盛況で人手不足状況下でアルバイト募集も多いという。

いちごを一口食べてみた。
酸味がやや強いがジャムに適している。
小粒であるが、1kg500円はかなり安いと感じた。

そういえば、様似町は太平洋と日高山脈に囲まれた自然豊かな場所であり、夏は30度超えはないらしく、冬は雪が積もることはないので過ごしやすいという。
ここ3日間は日高海岸にいるが、☔予想に反して🌤️であり、北海道全土が☔もここは違う。
なにしろ人の温もりが感じられるコミュニティがいい。

いちご栽培には適した場所なんだろう。
夢を見る若者にとっては格好の舞台かもしれない。

当観光案内所を後に235号をさらに南下する。
浜辺に昆布が打ち上げられた光景を目についたので
鵜苫漁港に立ち寄る。
防波堤の梯子をよじ登り、そこから見る浜辺に打ち上げられた昆布がよく見えた。
昨日登ったアポイ岳が海に浮かんで聳えている。
昨日より天気がいいので、さぞ眺望はいいだろう。
防波堤から望む風景が気に入り30分ほどまったりする。

浦河駅、日高三石駅に立ち寄る。
そこはレール上にペンペン草が生い茂る。
5年も走っていないのでレールに錆びがある。
駅舎も人影がなく寂しい限りだ。
2021年春に廃止の動きがあり、地元で反対運動が激化しているようだ。
ここの路線は太平洋と日高山脈を眺める風景があるのでなんとか存続してほしいと思う。

さらに235号を南下すると新冠(にいかっぷ)に着く。新冠といえばサラブレッドだ。
209号沿いにサラブレッド銀座駐車公園がある。
この高台からの牧場は見ごたえがあった。
この公園から8kmほどサラブレッド銀座コースといわれ、続々とサラブレッドの牧場がある。

当銀座コースの終点に優駿メモリアルパークがある。ここはオグリキャップ等の名馬の墓碑があった。
館内には歴代の重賞が展示されており、ビデオで繰り返し名馬のメモリアルが流れていた。
競馬ファンにはたまらない場所だろう。

そうこうしているうちに時刻は16時過ぎになる。
気になる明日の天気は、北海道全体が午前中は豪雨だ。
これは長く張りついた雨雲が太平洋側に抜けるためである。
午後は雨雲が通過して雨上がりになる。
この時間帯に移動しようと考えた。

今日の車中泊は、Nさんが奨める道の駅 むかわ四季の館である。
まだ右腕に少し痺れがあり、違和感がある。
羊蹄山登山に支障がなければと少し不安を抱える。
はてさて、この体調で羊蹄山登頂できるのだろうか。

とにかく前を見て進むしかない。

本日の走行距離 151km

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様似駅と様似観光案内所。アポイ岳が見えます。
いちごののびしろが楽しみです。
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毎朝 セコマコンビニで買う、朝食用のスパゲッティとおにぎりの組み合わせです。
スパゲッティは110円で安くて美味!
ミルクコーヒーも美味!
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浜辺に打ち上げられた昆布と採り昆布漁
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鵜苫漁港から眺めるアポイ岳
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様似町の観光スポットである親子岩。
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浦河駅と日高三石駅
日高本線の復活を願っています。
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サラブレッド銀座コースからの牧場は気持ちいい。
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優駿メモリアルパークにて。
オグリキャップの等身大銅像にビックリ。
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道の駅 むかわ四季の館で温泉まったり。


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#84 新北海道紀行 まさかのスズメバチに刺されて大ピンチ

2020年9月16日水曜日
12日目

道の駅 みついし昆布温泉でいつものように6時過ぎに起床。
昨日の天気予報は☔だったが、今日の予報は☁️に変わっていた。
相変わらず羊蹄山は☔が18日まで続く。
こうなったら天気を持っている日高海岸で時間を過ごしたほうがいい。

車中でいつものようにコンビニで買った、スパゲッティとおにぎりを食べながら今日の行動予定を考える。
雲と風の動きをチェックし、昼過ぎに晴れると予想してアポイ岳に登山することを決めた。

化粧室で髭剃りと歯磨きをするため、化粧室の近くまで車を移動する。
駐車した隣の車を見て驚いた。
見覚えのある足立ナンバーのダイハツ系のトヨタワンボックスが停まっていたのだった。

もしかしてNさんの車ではないか!

車を降りて周りを見渡すと、Nさんが遠くに目をやって考えごとをしている風だった。
自分は小躍りしてNさんに声をかけた。
するとNさんは意表を憑かれたようにキョトンとし、驚きをみせていた。

この広い北海道で再会できるとはお互いに信じられないといった空気が流れていた。
そして再会できた喜びを分かちあった。

まさか再会できるとは思わなかったと言うとNさんはそうだねと笑顔でうんうんと頷く。
Nさんに紹介いただいたルートを辿ったら実りのある旅になったと報告する。

・Nさんの紹介してくれた知床のヒグマ出没場所を行き、ヒグマを見たこと。
・紹介してくれた帯広の豚丼が旨かったこと。
・みついし昆布温泉の湯は自分の肌に合って極楽であること。

餌を食わえたヒグマの写真を見せるとNさんは喜んでくれてご褒美に十勝牛乳紙パックをいただく。
Nさんの方は2日間ヒグマが現れるまで待機したが、残念ながら見れなかったという。
また、天気が悪かったので行動範囲が限定してしまい、今いちの旅だったと少し寂しそうだった。

天気がよくないので1日前倒して今日は、苫小牧からフェリーで帰るという。
これから道の駅 むかわ四季の館に行き、ここの温泉もいいから是非寄ってみてといわれる。
東京で一杯やろうと約束して別れた。
Nさんも今回の天気は相当応えたようだった。
子熊に会えなかったNさんの落胆した表情を見ると、よっぽど子熊を愛しているだなぁと感じた。
東京の再会が楽しみだ。

さてアポイ岳に話題を変える。

アポイ岳は海岸から4km離れた位置にあり、太平洋と日高山脈に囲まれた標高810mの山である。
アポイの名前の由来は、アイヌ語のアペ(火)、オイ(多い所)、ヌプリ(山)で略されたもので「大火を焚いた山」の意味らしい。
アポイキンバナ、アポイアザミ等アポイの名前がつく高山植物が多くある。

午後☀️だと自分の勝手な天気予想で、アポイ岳登山口を10時過ぎに出発する。
ヒグマ出没注意の立て看板が目につく。
緩やかな森林樹林を1時間登ると避難小屋がある5合目に着いた。
避難小屋の後方には太平洋が望めた。
ここから森林限界を超えて急斜面が続く。

7合目からガスがかかり、一気に視界ゼロに急変。
8合目からさらに急斜面がきつくなるが、ここを我慢して登ると12時過ぎにアポイ岳頂上に着いた。
コースタイム2時間40分を2時間で登頂したが、急斜面が長く少しきつかった。
頂上は樹林に囲まれて展望はなかった。

9合目から8合目あたりに13時30分過ぎにガスが抜けて晴れることを予想し、意識して下山する。
太平洋と日高山脈が望める、馬の背が見える地点でガスが東から西へ激しく動いた。
これはガスが晴れる前兆だとひらめき、ここで小休止してガスの動きを固唾を飲んで見守った。

すると視界を遮ったガスが一気に消え去り、馬の背の前方に日高海岸、太平洋を眺めることができた。
この一瞬にして変貌した山風景に興奮した。
この山風景を楽しみしていただけに嬉しさも倍増。

存分に景色を堪能した後は、余韻を残しつつ登山口まで戻る。
登山口まで残り30分のところで異変が起きた。

痛い❗痛い❗痛い❗

右肩のあまりの痛さにメガネを落とし、膝を地面についてその場でうづまく。
どうやらスズメバチに刺されたようだ。
右肩が腫れ上がり、針で刺したようなズキンズキン痛さだ。
右腕が鉛のように感じ、気だるい。

急ぎ足で登山口まで下山するが依然として痛みが続く。
ヒグマを警戒していたのだが、スズメバチにやられるとは想像もしなかった。
昨日に訪れた、アポイ岳ジオパークが近くにあるので登頂報告するために再訪する。
登山情報を教えてくれたA(男性)さんは不在だったがHさん(女性)に登頂報告したところ、少し驚いていたようだ。
ガスで登頂をあきらめた登山者がいたらしく、ガスで何も見えなかったのではと訊かれた。
自分は13時30分過ぎに☀️予想で登り、予想通り晴れて眺望が素晴らしかったと言ったら、また驚いた様子だった。

右肩にスズメバチに刺されたと言うと、大変に心配されて医者へ行ったほうがいいと言われる。
館内でパネル写真を観賞後、ジオパークを後にして車を走る。

右肩から腕の関節まで、痛みから痒さに変わる。
異物が右肩の中に残っているような感じだ。
なんかおかしい。

様似から浦河方面へ走ると、浦河赤十字病院が見えたのでたまらず直行。
救急患者扱いで女医さんに診察してもらう。
発症して1時間以内に体が動かない場合は要注意であるが、すでに2時間経過しているのでまずは問題ないのでは、との診断結果だった。

処方箋をもらったが、好きな温泉はNGといわれ気落ちした。
会計時間は17時で閉まったので明日8時35分に病院に来て払うようにと、事務員に言われる。

しょうがない。
この病院は、道の駅 みついし昆布温泉から30分の距離なので今晩も みついし昆布温泉車中泊だ。
大好きな昆布温泉に入れないのはキツイなぁ。

本日の走行距離 72km

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ここの登山口から登ります。
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太陽が出て明るくなりました。
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避難小屋がある5合目です。
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7合目からはガスでアポイ岳が見えません。
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頂上直下の9合目はガスが濃くなりました。
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アポイ岳に登頂。
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13時30分過ぎの9合目から8合目付近。
予想通り☀️でガスが抜けそうです。
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ガスが抜けて馬の背の背後に太平洋が見えました。
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日高海岸と太平洋。
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下山時は☀️でよかった(泣)
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アポイ岳ジオパークのHさん お世話になりました。
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浦河赤十字病院です。



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#83 新北海道紀行 襟裳の春は日本一の春です。

2020年9月15日火曜日
11日目

道の駅 みついし昆布温泉で6時過ぎ起床。
今日の天気予報は☁️/☔であるが、予想に反し今朝から☀️の気配だった。
なんか儲けた気分になった。

髭剃り、歯磨き、朝食をすませて道の駅を7時過ぎに出発する。
太平洋を見ながら快適に236号を走り、1時間30分で襟裳岬に着く。

少し雲が出てきたが、☔の気配はない。
昨日の☔の襟裳岬でなくてよかった。

ご存知の通り、襟裳岬日高山脈の最南端に位置し、強風が吹きやすく濃霧が発生しやすい。
この日はやや強風だったが、霧はなかった。
森 進一の襟裳岬の歌碑がある。

襟裳の春は何もない春です。

このフレーズで襟裳岬は一躍有名になったが、
地元では不評らしい。
何もない春とはなんだと。

もう20年前になるが、NHKプロジェクトXの番組で襟裳岬を放映されていたのを覚えている。
緑が一つもない砂漠状態の襟裳岬を、一人の地元の漁民から立ち上がる。
徐々に仲間を増やして44年にわたる植林作業を続けて砂漠化した襟裳岬を見事に森に変える。
技術を越える執念に感動した。

この植林により、当時昆布など全く採れなかった真っ赤な襟裳岬の海は、紺碧な海に生まれ変わったのだ。
不毛とされた昆布も蘇り、今や日本一の昆布ともいわれている。
不可能を可能にさせた、地元漁民の信念を貫くストーリーにNHKの進行役の方が涙を流し、自分ももらい泣きしたことを覚えている。

このような背景を知っていたので襟裳岬に立つと、信念と執念、そして継続する努力の大切さをあらためて強く感じる思いだ。

襟裳岬から日高へ戻る途中で浜辺に昆布を干す人影があった。
黙々と昆布を干す30歳過ぎの女性が気になり、浜辺に立ち寄る。
仕事中に声をかけては気まずいと思った。
しかしながら女性は昆布の選別作業を中断し、快く応対してくれた。

この女性は、帯広からの出稼ぎバイトで元気モリモリの主婦だった。
女性によると昆布漁は採り昆布と拾い昆布がある。
採り昆布は、7月から10月がシーズンであるが、天候、海、風等の条件から昆布出船は平均20日前後だそうだ。
夏場は岩場まで漕いで船の上から木の棒に昆布を巻つけて採るそうだ。
天日干しは一日で終わるが、今日のような曇天だと3日干すとのこと。

拾い昆布は、海が荒れた翌日に浜辺に昆布が打ち上げられるのでそれを拾うのだという。
この日に打ち上げられた昆布を選別し、根っこを切って持ち帰るのだとか。
乾燥させると大きさが三分の一に縮むそうだ。

料理に欠かせない昆布の裏事情を知ると、ますます昆布が好きになった。
これも襟裳岬の海を豊穣にさせた地元漁民の44年にわたる植林作業のおかげだと思うと感慨深いものがある。

今や襟裳の春は日本一の春です。

話題を変える。

襟裳岬から様似に行く途中で太平洋に浮かんだ山がなんとも印象的だった。
なんていう山なんだろうか。
もしかして高山植物が有名なアポイ岳かも。
思わずシャッターを切った。

336号を走り冬島漁港を過ぎると、アポイ岳ジオパークと表示された大きな看板を右に曲がると、5分ほどでアポイ岳ジオパークに着いた。
アポイ岳ジオパークに入るとアポイ岳に関連する高山植物、登山情報等パネル写真がたくさん展示されていた。

ジオパークの担当のAさん(男性)とHさん(女性)に先ほど撮った写真を見せ、この山はアポイ岳ですかと訊いたところ、アポイ岳だという。
そもそもアポイ岳に登山するつもりはなかったのだが、応対してくれたAさんのヒグマの出没情報、登山情報は、丁寧に優しく教えてもらい、登りたい気持ちが強くなった。

Aさんがアポイ岳の天気予報を調べたところ、明日は☔なので無理だが、19日、20日が☀️なので是非登ってみてくださいと、アドバイスをもらう。
19日、20日アポイ岳登山したいが、この日は本命の羊蹄山が控えているから無理かなと呟く。

AさんとHさんにお礼を言ってジオパークを出る。
海に浮かぶアポイ岳は様になっていい山だ。
天気次第だが、どうにかして登ってみたいものだ。

今日も道の駅 みついし昆布温泉車中泊だ。
あの昆布湯でまったりするのが楽しみだ。

羊蹄山の天気予想は相変わらず18日まで☔だ。
19日に☀️がついたので希望の光が出てきた。

はてさてそれまでの3日間は、どう過ごすのか。
また、今日はどうしようか に戻ってしまったが、これが旅の醍醐味だ。
明日は何かときめく予感がする。
明日が待ち遠しい。

今日の走行距離 137km

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襟裳岬は4回目です。
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砂漠から緑に変わった襟裳です。
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襟裳の浜辺で拾い昆布を干す。
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襟裳の漁港です。
鮭をゲットした餌はイカとサンマでした。
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襟裳中学校です。授業中でした。
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襟裳の空が晴れました。
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襟裳の漁港から眺めた左端の高い山がアポイ岳です。太平洋に浮かぶアポイ岳が印象的で登りたくなりました。
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アポイ岳を見てアポイ岳ジオパークに直行。
有益なアポイ岳登山情報ありがとうございました。
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今晩もみついし昆布温泉でまったりしよう。



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#82 新北海道紀行 長蛇の列にびっくり仰天

2020年9月14日月曜日
10日目

道の駅 音更でいつものように午前6時過ぎ起床。
今日は帯広を中心に観光ドライブだが、☔であることは承知しているが、車窓から空を見上げると曇り空だった。

午前10時前後に☔になることを覚悟の上、いつものコンビニで買った、スパゲッティとおにぎりをすませて足早に道の駅を出発する。

まずは十勝牧場展望台と十勝牧場白樺並木に向かう。

20分ほどで十勝牧場展望台に着いた。
昨日は雄大なナイタイ牧場を眺めたので目が肥えてしまい、この牧場の広大さは特に感動はなかった。
ただ、戦争と人間の超大作映画の舞台ではあったようだ。

次に十勝牧場白樺並木に向かう。
観光雑誌によく見かける白樺並木だった。
NHKの連続ドラマ小説のマッサンの舞台で一躍有名になった並木道でもある。
この並木道は1.3kmの距離があり、白樺は567本並んでいるようである。
あいにく曇空で白樺の映えは今一つだったが、それでもいい眺めだ。
この風景に見とれて往復散策した。

娘がLlNEで、土産に蔵生のクッキーを買ってきてとのメッセージが来た。
北海道では有名なクッキーらしいが、どこの道の駅にも販売していなかった。

8時30分過ぎに帯広駅内の物産展に行く。
この物産展は8時30分開店情報は把握していた。
さすがに大型駅の物産展だけにクッキーを販売していた。
ホワイトチョコレート、普通のチョコレート、あとは忘れたが、とりあえず4箱購入する。
娘の喜ぶ顔が目に浮かぶようだ。

帯広競馬場に行く。
この競馬場は、ばん馬と呼ばれる馬の体重が1トンを越す馬が、500kgから1000kgの鉄ソリを曳く競争のようである。
世界で唯一の競馬で年間25本の重賞があるそうである。
土日月に開催だ。今日は月曜日なので開催日だ。
午後に開催するため、時間がないのでパスした。

案の定、10時過ぎに小雨がぱらつく中で池田ワイン城に着く。
建物はヨーロッパ中世の古城に似るワイン城だ。
初めて北海道旅行した1982年以来の訪問だが、外見は全然変わっていなかった。
先輩と一緒に見学したことを懐かしく感じた。
娘の同じ名前の「清見」ブランドを購入する。
城内はワイン製造工程を見学し、試飲コーナーは我慢してワイン城を後にした。

また帯広駅付近に戻る。
理由は、ぶた丼の屯田という店で豚丼を食べるからだ。
12時20分過ぎに店に着いたら、駐車場が既に満車状態で駐車場入口までさらに車が並んでいた。
駐車しても外で立ち並ぶ状況である。
ランチ時間のタイミングもあり、かなりの渋滞だ。
店玄関に用意してあった受付表に名前を書いて待つ。

1時間辛抱して待ったかいがあり、ようやく入店。
豚のロースの豚丼を注文後、15分後についに豚丼が!
豚の塊肉を厚めに切っていて、甘めのタレがマッチングして美味しかった。
940円支払う価値があった。

すっかり満腹した自分は、236号を走って幸福駅に立ち寄り、記念撮影を納める。

雨が強くなり、急ぎ幸福駅を出る。
雨の襟裳岬は見たくないので、天馬街道で様似に向かった。

降り続ける雨の中をひたすら前を見て走る自分は、心の中で葛藤していた。

羊蹄山方面のニセコ、函館は17日まで☔だ。
羊蹄山登山は絶望だし、17日まで☔なら北海道に居すわり続けても意味がないんじゃないかと。。

時刻は15時過ぎだ。
この時間なら苫小牧フェリーターミナルに18時に着くので、19時出港に間に合うぞ!
ほぼ帰る気持ちに変わった自分は天馬街道を走る。

すると雨が上がり、雲の間から恍惚と思える一筋の光が鮮やかに放っていた。
思わず自分は車を停め、外に出て空を見上げる。
この偉大な風景に身震いした。
そして☔の理由で今日帰ろうとした弱い自分を恥じる。

俺は何しに来たんだ。
単なる観光ではなく、百名山を登ることではないか。
なんなら羊蹄山が晴れるまで待とうぞ。
一瞬で今日船で帰ることをやめて決断した。

今日の車中泊先は新ひだか町の道の駅 みついし昆布温泉にしよう。
しほろ温泉でNさんに紹介された絶賛の昆布風呂だ。
Nさんに再会できると嬉しいな。


本日の走行距離 252km

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十勝牧場展望台。
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十勝牧場白樺並木。
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帯広競馬場
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帯広駅と蔵生クッキー。
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池田ワイン城のワインは最高です。
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ぶた丼の屯田の行列はびっくり仰天でした。
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幸福駅はなんといってもネーミングがいい。
乗車券を買っちゃいました。
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Nさんが紹介した昆布温泉は太平洋が望める絶好のロケーションでした。


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#81 新北海道紀行 これぞ露天風呂の醍醐味だ

2020年9月13日日曜日
9日目

十勝岳頂上から眺めた山風景の余韻がまだ残ったまま、望岳台駐車場を12時過ぎに出発する。

明日は帯広方面へドライブするも☔だ。
また、次の羊蹄山も17日まで☔で登頂が厳しくなった。
このままの天気だと羊蹄山をあきらめて15日に繰り上げて帰ることを検討し始めた。

まぁ、今日の午後は天気が持つようだし、☀️マークの然別湖、ナイタイ牧場へドライブして帯広の道の駅で車中泊を考えた。

望岳台駐車場から20分で吹上露天風呂の看板に目がとまる。
吹上露天風呂の駐車場に車を停めて露天風呂に通じる自然道を3分ほど歩くと湯気が立ち上がる。

そこは脱衣場がない、混浴無料露天風呂だった。
露天風呂は、女性を含めて8人ほど入浴中だった。
十勝岳登山の汗を流したかったので躊躇なくスッポンでドボン!

周囲の川の流れる音、緑の木々の香り、野趣溢れる
露天風呂に浸かるのは最高に気持ちいい。
源泉かけ流しの無色無臭の温泉であり、肌ざわりがとてもいいのだ。
ついこのまま寝てしまいそうだ。

30分ほど浸かった後は、然別湖(しかりべつこ)へ向かう。
富良野、鹿追を通過し、15過ぎに着く。
然別湖は以前から行きたいと思っていたが、ようやく実現できた。
然別湖大雪山国立公園内に位置しており、北海道で最も高い標高810mあり、水深108mの湖である。
あいにく☁️なので湖の色はいまいちである。
晴れた日の紺碧な湖を見たかった。
しかしながら、大古の自然をそのまま残しており、見ごたえはあった。

湖畔に遊覧船が停船していたが、肌寒かったので乗る気にもなれなかった。
65歳前後の遊覧船管理人さんが、自分を見て、

「こんな格好したらコロナで風邪ひいちゃうよ!」

笑いながら声をかけられた。
確かに半袖、半ズボンの格好であり、気温15度前後と思われる寒さには不釣り合いである。
その場にいた、若いカップルにも笑われた。
すかさず、「そうですよね これじゃ笑いたくても笑えないですよね」と言い返すと腹を抱えて笑っていた。
笑顔が優しい、愛嬌のある男性だった。
このやり取りは、旅行中を含め、しばらくなかった。
なぜかホッとした気分になるのは、どうしてだろうか。

然別湖からナイタイ牧場へ向かう。
17時に閉門なのでスピードをあげてなんとか16時30分に着いた。
ナイタイ牧場は日本一広い公共牧場で総面積は1700haあり、東京ドーム358個分の広さだ。
地平線まで続く緑の芝のじゅうたんに感動した。
草を食む牛の放牧に心が和む。
自分は閉門ギリギリまでそこに立って眺めた。
十勝岳登山の疲れをそぎ落とすようにずっと眺め続けた。

あたりは少しづつ暗くなりつつある。
夏は終わり、秋の気配を感じさせる日の暮れだ。
寒風が強くなり、肌を突きさす。

帯広観光センターに電話して、帯広でゆったり休憩できる温泉はないかと問い合わせする。
返った言葉は、水光園は地元でも人気があり、天然のモール温泉なので身体が温まるとのこと。
なんでも22時まで入浴できるので嬉しい限りだ。

水光園でゆっくり浸かって疲れを癒し、道の駅
音更(おとふけ) で車中泊することにしよう。

本日の走行距離 252km

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吹上露天風呂でまったり。
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然別湖は静寂が似合います。
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ナイタイ高原は雄大でした。
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今晩の車中泊である道の駅 音更です。


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#80 新北海道紀行 曇空も視界全開の十勝岳頂上に立つ

2020年9月13日日日曜日
9日目

十勝岳登山口の望岳台で5時過ぎに起床。
さすがに人気のある山だけに、およそ50台分の駐車場は満車であり、駐車場への入口まで所狭しに車が並んでいた。

駐車場から見上げる十勝岳は、ややガスがかかっている。
隣の滋賀ナンバーの40歳過ぎの夫婦は、既にバックの点検をしており、登山靴の紐を結びかけている。
自分も遅れまじと、山支度の準備を15分ですませ、6時前に出発する。

今日は標高2077mの百名山である十勝岳に登る。
十勝岳大雪山の南にあり、十勝連峰の最高峰である。
今なお、噴煙を上げる活火山でもある。

この日を待っていたかのように、体が躍動。
望岳台からの登山道は、緩やかな道だが、美瑛岳分岐を越えて十勝岳避難小屋を過ぎたあたりから風が強くなってきた。
さらに霧雨が降ってきたので雨具に急ぎ着替える。
ここから登山道は急登となる。

岩に塗られたペンキを頼りにガスの中を登る。
急斜面を登りきり、昭和火口を望む平坦地に着くと、ガスが抜けつつあり、後方に美瑛、富良野を一望できた。

前方は噴煙を上げる十勝岳の中腹が見え、円錐形の十勝岳が間近に迫ってきた。
周囲は火山灰、泥流跡があり、活火山であることをあらためて認識する。

しばらく尾根上を歩くと、ガスが時折り流れてはいるものの、十勝岳頂上が見えた。
頂上まで残り20分のガレ場の急登を登りきると、
頂上にいる年配の男性からの声が聞こえた。

兄さんが頂上に着いたら、ガスが消えて展望が良くなったよ!

ついに頂上に立ち、周囲を見渡すとタイミングよく、ガスが晴れて美瑛岳富良野岳、富良野市街を一望できた。
コースタイム4時間を2時間50分で登頂した。

一時は、風と霧雨が強い時があり、どうなるかと思ったが、眺望できてやれやれだった。

声をかけてくださった男性から淹れたてのコーヒーをいただいた。
この男性も秋雨前線による影響で日程がずれ込み、3日間待ってこの日の十勝岳登山を迎えたという。
自分も同じなので、互いに登頂したことを喜びあった。

この男性は、美瑛岳まで縦走するというので、コーヒーのお礼を言って山頂で別れた。
あのコーヒーの味は格別だった。

しばらく山頂で30分過ごした後、望岳台に戻り、予定通り12時前に到着した。
なんとか眺望できてよかったと安堵する。

明日は☔なので、午後は☀️マークのナイタイ高原、然別湖を回ろうぞ!

百名山77座登頂 残り23座。

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望岳台から登ります。
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まだ遠い十勝岳
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十勝岳避難小屋を越えたら雲海が見えました。
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ついに十勝岳をとらえる。
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十勝岳頂上からの眺望をお楽しみください。
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下山時のひとコマです。
雄大な景色を一人占めする女性が印象的です。
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美瑛岳もなかなかの山容です。
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遠くに大雪山の主峰である旭岳が見えました。

#79 新北海道紀行 白い道に大感動

2020年9月12日土曜日
8日目

道の駅 美深でいつものように6時過ぎに起床。
日課となった早朝の天気予報をチェックする。

今日は道北(稚内、宗谷、浜頓別)は思惑通り快晴☀️で万歳🙌だ。
明日登山予定の十勝岳は☁️後☀️で登山の可能性が出てきたが、羊蹄山は16日まで☔で厳しい状況は変わらない。
秋雨前線が道南(函館)方面に張り付き、湿った空気が流れ込んでいるので道北以外は☁️か☔のオンパレードだ。
いったいいつまで続くのか。。

明日十勝岳登山に備え、20時過ぎに十勝岳登山口である望岳台に着くように行動開始した。

7時過ぎに出発し、40号で30分ほどで音威子府駅(おといねっぷ)に着く。
ここの駅蕎麦は美味くて評判だが、蕎麦職人さんが高齢によりしばらく休業中だった。
駅内に「頑張れ」の寄せ書きが掲示されていた。
自分も頑張れとエールを送る。

音威子府から275号で浜頓別のクッチャロ湖に着く。ここは2007年以来だから13年ぶりだ。
快晴なので湖面が紺碧で美しい。
レークサイトは、家族連れでキャンプを楽しんでいる。
ゆったりした時間を過ごして気持ちよさそうだ。

クッチャロ湖からオホーツク海沿いにエサヌカストレートを真っ直ぐ走る。
ここはまさに地平線まで、なにもない。
原生花園の中を一直線に走るのは実に気持ちいい。
道の最先端は、消えてなにもない。
地平線とオホーツク海が見えるだけである。

さらに238号を進むと11時過ぎに宗谷岬に着く。
宗谷岬の快晴かつ紺碧なオホーツク海の取り合わせは、2006年以来の最高のコンディションだ。
間宮林蔵銅像からサハリン(樺太)の島影が見える。
サハリン(樺太)を発見した間宮林蔵の胸に去来するものは、いかばかりであろうか。

宗谷岬から宗谷丘陵を走ると褐色の宗谷牛が広大な牧場に戯れていた。
オホーツク海と丘陵と青空、褐色の色合いがなんともいえない光景だ。
幾重も重なる丘陵を通り過ぎても次の風景展開が繰り広がる。
その都度、忙しくシャッターを切った。

宗谷丘陵から稚内へ行く途中から、対向車スレスレの車幅が狭くなる。
ここからアスファルト舗装道路から貝殻を敷き詰めた白い道を走る。

白い道の先は、日本海に浮かぶ百名山たる利尻岳が聳え立つ。
紺碧な空と海、白い道のバランスにしびれた。
今日一番のビューポイントだった。
この風景に30分眺め続けた。
ただゆっくりと時間が流れるだけ。
このまま止まってほしい…

十分に堪能した後は、稚内公園、最北駅の稚内
、ノシャップ岬を観光する。
ノシャップ岬にある海鮮丼は3800円で手が出なかった。
ノシャップ岬から、相変わらず利尻島礼文島の眺めがいい。

今晩の車中泊先の十勝岳望岳台に20時到着に合わせるため、ノシャップ岬を13時30分過ぎに出発する。
ここからノンストップで軽く5時間を越える長距離だ。
安全運転に徹しようと自分に言い聞かせる。

海の眺めが素晴らしい日本海オロロラインを走る。日本海に沿って手塩町、初山別村羽幌町、留萌をひたすら南下する。
深川から無料高速道路に乗り、旭川、美瑛を走る。
美瑛に着いたのは19時過ぎだった。

今晩の晩御飯と明日の朝食分を買うため、美瑛駅前付近のスーパーに入る。
ちょうど余剰の調理品をさばくための割引セールの時間帯だった。
寿司、揚げ物、弁当等の山積みに驚いた。
地域住民の人数に応じて品出しをしているのだろうかと気になる。
これはかなりの廃棄品になるなと呟きながら、特大の豚カツ、あじフライ、鶏肉グリル、野菜サラダ等買う。
明日は久しぶりの登山なので、スタミナをつけるため、少し景気づけた。

美瑛から白樺街道を走り、目的地の十勝岳望岳台に20時30分過ぎに着いた。
さすがに後半の5時間長距離ドライブは疲れた!
スーパーで買った特大豚カツ等を食べた後は、ビールで渇いた喉を潤す。

明日は、いよいよ待ちに待った十勝岳登山だ。
現時点の天気予報は⛅だ。
☔マークがないので少し安心だが、天気は急変することも予測される。

明日はどうか晴れますように。

今日の走行距離 496km

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音威子府駅です。駅蕎麦が休業中で残念ですが、復活を祈っています。
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クッチャロ湖の湖面に癒されます。
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エサヌカストレートはどこまでも真っ直ぐ!
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道の駅 さるふつ公園です。
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宗谷岬から見えるサハリンの島影。
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宗谷岬全景です。
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宗谷丘陵は牧歌的な雰囲気でした。
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白い道に大感動!
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日本最北駅の稚内駅。
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ノシャップ岬は今回で5回目になりますが、ここからの眺めはいつも飽きません。
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ノシャップ岬界隈の飲食店が立ち並ぶ。
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オロロラインを走るとオトンルイ風力発電が立ち並んでいました。
風力発電は全部で26基あり、圧巻でした。
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宗谷本線抜海駅から稚内方面のレールを眺める。
抜海駅は木造駅舎の秘境駅のひとつです。
廃駅の噂があるが、存続してほしい。
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どの角度から眺めても山容が素晴らしい利尻岳
5年前に登頂した百名山だけに感慨深いものがあります。


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#78 新北海道紀行 ハルキストが集う聖地にワクワク

2020年9月11日金曜日
7日目

いつも通り道の駅 美深で6時過ぎに起床して髭剃り、歯磨きを化粧室ですませて、朝飯用のおにぎりを食べる。

気になる天気だが、スマホの天気予報は、北海道は全体的に☀️マークがなく、☁️と☔のオンパレードだ。
このまま秋雨前線が張り付くと羊蹄山十勝岳登山が厳しい状況になりつつあり、一抹の不安をかかえる。

ここ美深は、☔がなく、かろうじて終始☁️だ。
しかしながら、霧雨を覚悟する必要があるかもしれない。

さて今日の旅は、いつもの「今日はどうするか。」の呟きはない。
今日の行動は目的意識があるからだ。
それは、仁宇布(にうぷ)にある松山農場とトロッコ王国を廻ることである。

ここで簡単に美深町について説明する。
美深町は道北に位置しており、名寄市の隣町である。
稚内まで2時間、旭川まで2時間30分の中間にあり、人口4000人超えの小さな町である。
南北に天塩川が流れている。
仁宇布の冷水と十六滝は環境省より名水百選に認定されている。

美深の地名の由来は、天塩川の砂利川原をさすアイヌ語の「ピウカ」(石の多い場所)に由来し、美深駅周辺は「ピウカ」と呼ばれたらしい。(地元談)

観光の目玉がない美深町になぜ訪ねるのか。
理由は、毎年ノーベル賞候補にあがっている村上春樹が執筆した「羊をめぐる冒険」の舞台のモデルが美深町の仁宇布ではないかといわれているからである。
特段、検証しに行くわけでもなく、雰囲気を味わいたいだけである。

羊をめぐる冒険」を知るきっかけは、大学2年の時に付き合っていた彼女から紹介されたのがきっかけだった。
まず、枠にはめたガッチガッチの凝り固まった文章ではなく、自由自在の筆致で、たくみに人間の心理を見事に描かれていたことをよく覚えている。

羊をめぐる冒険」は、文字通り、羊を探す旅で、星形の印がついている羊を探す牧場を追い求める冒険である。
その牧場のモデルが美深町仁宇布にある松山農場ではないかといわれている。
真偽の結果はともかく、このような文学のロマンを旅するのもありかなと考えた。

松山農場は道の駅 美深町から30km45分離れた場所にあった。
ワクワク感で松山農場に近づくと右手に広い牧場がある。
待避所で車を停めて柵まで歩くと羊が20頭前後、戯れていた。
そしてこの小説の重要な舞台である別荘が、松山農場と二重映しに見えた。
小説で描かれた、あの場面が自分の記憶の中にしっかり定着しているので瞬時に蘇る。

村上春樹は青春時代にこの地を訪れて小説の題材にしたかもしれない。
そう思うと、なんかワクワクした感じになる。

村上春樹を信奉する全国のファンの方々が、毎年1回開催される「草原朗読会」をここ松山農場に集まり、村上春樹の出版本を読み合わせる旨の記事をどこかで読んだことがある。
それがここの地だと思うと親近感が湧く。

話題を仁宇布駅に変える。
昔の仁宇布駅は美幸線の最終駅だったようだ。
宗谷本線美深駅を起点とし、昭和39年に開業したものの、全国3位以内に入る大赤字でやむなく昭和60年に廃止したと歴史資料に記されていた。

ロッコ王国美深を訪ねると、当時の仁宇布駅のプラットホームがそのまま残っていた。
せっかくの機会なのでトロッコに乗ることにした。
このトロッコはエンジン付きでひとりで運転できる仕組みだ。
往復10kmのレールの上を気ままに50分運転する。
エンジンとレールに揺れる音が居心地がいい。

ロッコから降り、トロッコの管理者と思われる70歳過ぎの男性に仁宇布の人口、学校、鉄道等いろいろと訊いて丁寧に説明してくれた。
ついでに村上春樹羊をめぐる冒険のことは知っていた。
男性の説明によると毎年、外国人のファンの方々が美深、仁宇布に来ているという。
昨年はロシア、フィリピン等の外国人が訪れていたとか。
彼らの目的も羊をめぐる冒険のロマンを求めているのだろう。

ハルキストはすでにグローバルだ。

今日の走行距離 69km
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道の駅 美深から一日のスタートです。
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美深駅と駅前通り。
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美深駅内で美幸線の歴史資料が展示されています。
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天塩川は北海道第2位の距離です。
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仁宇布駅から名残りのレールを走る。
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ハルキストが集う聖地 松山農場
松山農場はファームイントントともいわれ、仁宇布唯一の宿泊宿。羊のジンギスカン食べ放題です。
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牧場から鹿が現れました。
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仁宇布の冷水と十六滝巡りをしました。
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美深駅から2番目の駅 紋稲内駅は秘境駅のひとつですが、2021年3月に廃駅になる予定です。
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美深温泉は浴室が広くて天井も高く、まったりしました。


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