#84 新北海道紀行 まさかのスズメバチに刺されて大ピンチ

2020年9月16日水曜日
12日目

道の駅 みついし昆布温泉でいつものように6時過ぎに起床。
昨日の天気予報は☔だったが、今日の予報は☁️に変わっていた。
相変わらず羊蹄山は☔が18日まで続く。
こうなったら天気を持っている日高海岸で時間を過ごしたほうがいい。

車中でいつものようにコンビニで買った、スパゲッティとおにぎりを食べながら今日の行動予定を考える。
雲と風の動きをチェックし、昼過ぎに晴れると予想してアポイ岳に登山することを決めた。

化粧室で髭剃りと歯磨きをするため、化粧室の近くまで車を移動する。
駐車した隣の車を見て驚いた。
見覚えのある足立ナンバーのダイハツ系のトヨタワンボックスが停まっていたのだった。

もしかしてNさんの車ではないか!

車を降りて周りを見渡すと、Nさんが遠くに目をやって考えごとをしている風だった。
自分は小躍りしてNさんに声をかけた。
するとNさんは意表を憑かれたようにキョトンとし、驚きをみせていた。

この広い北海道で再会できるとはお互いに信じられないといった空気が流れていた。
そして再会できた喜びを分かちあった。

まさか再会できるとは思わなかったと言うとNさんはそうだねと笑顔でうんうんと頷く。
Nさんに紹介いただいたルートを辿ったら実りのある旅になったと報告する。

・Nさんの紹介してくれた知床のヒグマ出没場所を行き、ヒグマを見たこと。
・紹介してくれた帯広の豚丼が旨かったこと。
・みついし昆布温泉の湯は自分の肌に合って極楽であること。

餌を食わえたヒグマの写真を見せるとNさんは喜んでくれてご褒美に十勝牛乳紙パックをいただく。
Nさんの方は2日間ヒグマが現れるまで待機したが、残念ながら見れなかったという。
また、天気が悪かったので行動範囲が限定してしまい、今いちの旅だったと少し寂しそうだった。

天気がよくないので1日前倒して今日は、苫小牧からフェリーで帰るという。
これから道の駅 むかわ四季の館に行き、ここの温泉もいいから是非寄ってみてといわれる。
東京で一杯やろうと約束して別れた。
Nさんも今回の天気は相当応えたようだった。
子熊に会えなかったNさんの落胆した表情を見ると、よっぽど子熊を愛しているだなぁと感じた。
東京の再会が楽しみだ。

さてアポイ岳に話題を変える。

アポイ岳は海岸から4km離れた位置にあり、太平洋と日高山脈に囲まれた標高810mの山である。
アポイの名前の由来は、アイヌ語のアペ(火)、オイ(多い所)、ヌプリ(山)で略されたもので「大火を焚いた山」の意味らしい。
アポイキンバナ、アポイアザミ等アポイの名前がつく高山植物が多くある。

午後☀️だと自分の勝手な天気予想で、アポイ岳登山口を10時過ぎに出発する。
ヒグマ出没注意の立て看板が目につく。
緩やかな森林樹林を1時間登ると避難小屋がある5合目に着いた。
避難小屋の後方には太平洋が望めた。
ここから森林限界を超えて急斜面が続く。

7合目からガスがかかり、一気に視界ゼロに急変。
8合目からさらに急斜面がきつくなるが、ここを我慢して登ると12時過ぎにアポイ岳頂上に着いた。
コースタイム2時間40分を2時間で登頂したが、急斜面が長く少しきつかった。
頂上は樹林に囲まれて展望はなかった。

9合目から8合目あたりに13時30分過ぎにガスが抜けて晴れることを予想し、意識して下山する。
太平洋と日高山脈が望める、馬の背が見える地点でガスが東から西へ激しく動いた。
これはガスが晴れる前兆だとひらめき、ここで小休止してガスの動きを固唾を飲んで見守った。

すると視界を遮ったガスが一気に消え去り、馬の背の前方に日高海岸、太平洋を眺めることができた。
この一瞬にして変貌した山風景に興奮した。
この山風景を楽しみしていただけに嬉しさも倍増。

存分に景色を堪能した後は、余韻を残しつつ登山口まで戻る。
登山口まで残り30分のところで異変が起きた。

痛い❗痛い❗痛い❗

右肩のあまりの痛さにメガネを落とし、膝を地面についてその場でうづまく。
どうやらスズメバチに刺されたようだ。
右肩が腫れ上がり、針で刺したようなズキンズキン痛さだ。
右腕が鉛のように感じ、気だるい。

急ぎ足で登山口まで下山するが依然として痛みが続く。
ヒグマを警戒していたのだが、スズメバチにやられるとは想像もしなかった。
昨日に訪れた、アポイ岳ジオパークが近くにあるので登頂報告するために再訪する。
登山情報を教えてくれたA(男性)さんは不在だったがHさん(女性)に登頂報告したところ、少し驚いていたようだ。
ガスで登頂をあきらめた登山者がいたらしく、ガスで何も見えなかったのではと訊かれた。
自分は13時30分過ぎに☀️予想で登り、予想通り晴れて眺望が素晴らしかったと言ったら、また驚いた様子だった。

右肩にスズメバチに刺されたと言うと、大変に心配されて医者へ行ったほうがいいと言われる。
館内でパネル写真を観賞後、ジオパークを後にして車を走る。

右肩から腕の関節まで、痛みから痒さに変わる。
異物が右肩の中に残っているような感じだ。
なんかおかしい。

様似から浦河方面へ走ると、浦河赤十字病院が見えたのでたまらず直行。
救急患者扱いで女医さんに診察してもらう。
発症して1時間以内に体が動かない場合は要注意であるが、すでに2時間経過しているのでまずは問題ないのでは、との診断結果だった。

処方箋をもらったが、好きな温泉はNGといわれ気落ちした。
会計時間は17時で閉まったので明日8時35分に病院に来て払うようにと、事務員に言われる。

しょうがない。
この病院は、道の駅 みついし昆布温泉から30分の距離なので今晩も みついし昆布温泉車中泊だ。
大好きな昆布温泉に入れないのはキツイなぁ。

本日の走行距離 72km

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ここの登山口から登ります。
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太陽が出て明るくなりました。
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避難小屋がある5合目です。
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7合目からはガスでアポイ岳が見えません。
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頂上直下の9合目はガスが濃くなりました。
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アポイ岳に登頂。
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13時30分過ぎの9合目から8合目付近。
予想通り☀️でガスが抜けそうです。
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ガスが抜けて馬の背の背後に太平洋が見えました。
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日高海岸と太平洋。
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下山時は☀️でよかった(泣)
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アポイ岳ジオパークのHさん お世話になりました。
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浦河赤十字病院です。



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