#77 新北海道紀行 子熊の遭遇に大興奮

2020年9月10日木曜日
6日目

道の駅 らうす・シリエトクにて、いつものように午前6時過ぎに起床。
車窓から空を見上げると太陽が見えて心が踊る。

スマホで知床の気象庁予報を確認すると、午前中までは☁️で午後は☔だった。
この日は北海道全土が☁️☔で☀️がなかった。
なにやら羊蹄山おろか、十勝岳登山も危うい状況。

まぁなんとかなるやろうと、コンビニで買ったスパゲッティとおにぎりを軽く食べて午前7過ぎに出発する。

今日は午前中が勝負だ。
午後は間違いなく、どしゃ降りになるのでこの時間帯は移動時間に充てようと考えた。
既に今日のドライブコースは頭の中に出来上がっている。

道の駅うとろ・シリエトクからオホーツク海に沿って20分ほど走ると砂利道に出る。
この砂利道はなかなかの悪道路だ。
パンクを避けるため20km前後減速して原生林の間を潜り抜けて10分後にカムイワッカ湯の滝に着く。

この滝は知床連山の硫黄山中腹から涌き出た温泉が川に流れ込み、湯温は約30度の温かさだ。
ちょっとした沢登り感覚で滝を登るとサンダルで履いた素足が少し温い感覚がして気持ちいい。
この滝は滑落リスクを避けるため、途中で通行止めになっている。
もう少し登ってみたい気持ちが強かったが、ルールを守ることにしてここで引き上げた。

次に知床五湖に向かう。
文字通り湖が五つあり一湖、二湖、三湖、四湖、五湖の名称がある。
これらを全て散策するのに1時間30分要するが、自分は何度も散策しており、今回は時間がないので一湖、二湖だけ散策した。

湖に映る知床連山に見とれてしまった。
2015年7月に知床連山の最高峰である羅臼岳を登頂しているだけに感慨深いものがある。
天候は☁️でなんとか湖面に映る知床連山を見ることができて良かった。

ここで、しほろ温泉でお会いしたNさんの顔を思い出した。

そうだ!ヒグマの子供をナマで見よう❗

Nさんが教えてくれた、ヒグマに遭遇できる場所を記憶から辿ってみる。
道の駅から15分前後車を走らせると川にさしかかり、ヒグマウォッチの車が数台駐車している場所だと。。。

うん?あれだ!

橋の上で3人の男性がなにやら会話をしていた。
耳をそば立てて聞くと、70歳前後の男性は数日の間、ここで待機しているようでまだ遭遇していないと嘆いている様子。
もう一人の40歳過ぎの男性は、昨日にヒグマに遭遇したといい、ヒグマが姿を現した場所を指をさして興奮気味に話をしていた。
30歳過ぎの男性はそれを訊いてなにやら羨ましげな様子。

まるでヒグマウォッチサークルの会話だ。
Nさんもこの会話に加わっていたのかな。。

自分も待機したが30分で痺れを切らしてその場を去った。
そう簡単にヒグマに出会うことはない。
人間が集まればヒグマも警戒して姿を見せないのだ。

車に戻り、しばらく走ったら大きく切り開かれたオホーツク海と断崖の光景に目が止まったので車を停めて写真を納めようと外に出る。

そこで女性と男性が大きな望遠レンズのカメラを構えてなにやら忙しい様子。

どうしましたかと声をかけると、男性はヒグマがいるよという。
えっ!どこですか?と訊くと女性が右手を伸ばして
ほらっ動いているでしょっ!という。

目を皿にして海から川を追って凝視すると、なにやら黒い玉のようなものが動いていることに気付く。
少し精度が落ちる望遠レンズで見事に鮭を食わえたヒグマをキャッチした。
その画像を見た自分は、我を忘れて声をあげる。
そして感動とともに興奮した。

この男性と女性は、ヒグマウォッチツァー団体の一員のようで毎年ヒグマを見に来ているとのこと。
女性のいかにも高価そうな望遠レンズのカメラの画像を見せてもらい、迫力満点のヒグマが見事に捉えていた。
プロ級の腕前だ。

このお二方からヒグマの習性、出没の場所、縄張り等を話をしてくれてとても興味深かった。
ヒグマを見たい、会いたい、写真を撮りたいという気持ちは趣味的なレベルを超えており、その執念がモチベーションとなるのであろう。
あのNさんもそのような方だと察した。
温厚なNさんの別の一面を垣間見る思いだ。

拙い写真ではあるが、Nさんに写真を見せたいと思った。きっと喜んでくれるだろう。
Nさんとは、この先どこかで再会できると信じている。

さて、ヒグマの写真を撮った自分は気分が良くなる。
知床峠を越えて羅臼町を走り、太平洋が見える相泊温泉で30分ほど露天風呂に浸かる。

前方にわずかに52km離れた国後島が見えた。
一昨日の納沙布岬でも呟いたが、同じことを言おう。

あれは間違いなく日本の領土だ。

時刻は13時30分過ぎ。
ここまでなんとか天気は持っててくれて良かった。
いよいよ気になる雨雲が広がり始めた。
ここから350km前後の距離を5時間30分かけて、どしゃ降りの中をひたすら北上するのだ。

羅臼町から網走を通過しサロマ湖辺りで予想通り、どしゃ降りで右手に見えるオホーツク海が真っ白状態。
けたたましい豪雨の下、紋別、興部(おこっぺ)、雄武(おうむ)を通過し、今日の車中泊である美深町に着いたのは午後19時30分だった。

午後の長距離ドライブで疲労困憊だ。
美深温泉に浸かって早めに寝ることにしよう。

本日の走行距離 448km

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道の駅 うとろ・シリエトクを7時過ぎに出発。f:id:kunpu3684:20201003212221j:plain
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プユニ岬から見たウトロのオホーツク海
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カムイワッカの湯はこんな感じです。
この滝をよじ登っていきます。
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知床五湖のうち、二湖の水面に映る知床連山。
右端が知床連山最高峰の羅臼岳です。
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ここ辺りがヒグマウォッチもヒグマは現れず。
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遂にキャッチ!
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知床峠羅臼岳
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相泊温泉の露天風呂は最高!
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相泊温泉から国後島を望む。
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このネーミングいいね。
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11年ぶりの網走駅です。
ちなみに立て看板の網走駅の文字は、監獄所を出所した囚人が横道に逸れることなく、真っ直ぐ生きぬいてほしいとの願いを込めて珍しい立て看板の駅名だそうです。


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#76 新北海道紀行 オホーツク海に沈む夕陽に感動

2020年9月9日水曜日
5日目

道の駅スワン44ねむろで午前6時起床。
起床後は化粧室で髭剃り、歯磨きが日課となった。
映しだされる鏡に自分を確かめて髭剃り、歯磨きを終える。

さて今日はどうするか。

辺り一面はガスで真っ白だ。
本来ならば風蓮湖を見渡せるはずだが見えない。

道南(函館、札幌)道央(旭川富良野)を中心に天気が崩れているとラジオが報じられていた。

そこでノートに稚内、美深、札幌、函館、帯広、十勝岳望岳台、羊蹄山の7拠点を縦列に、横列に向こう6日間の天気予報図を書いて日々更新することにした。

北海道が全体的に天気が良くない。
これは前線が張り付いていることが原因であり、かなり停滞している。
特に函館、札幌方面の道南はひどい。
問題は前線がいつ抜けるかだ。

現時点では、羊蹄山はほぼ全滅であり、十勝岳はわずかに12日と13日の可能性がある。
まぁ天気は変わりやすいからここで諦めてはいかんで、と自分にいいきかせる。

書き込んだノートを睨み、決断したことは、できる限り前線から離れて道北方面(稚内、美深、ウトロ)に北上することだった。
羊蹄山十勝岳は遠のくが、晴れマークに近い場所にいることが重要である。
総じて十勝岳は13日登山決行し、羊蹄山は17日に予備として残しておき、その日程に合わせてドライブ調整することにした。

よって帰りの苫小牧から新潟のフェリーは12日から17日に延期することとした。

今日のドライブコースの天気予報は午前10時までは曇りか、霧雨で午後は晴れ予報を信じてハンドルを握る。

午前7時出発し、太平洋側に沿って244号を走ると湿った空気が標津町を覆っていた。
気温は15度、16度のまま一向に上がろうとしない。
こんな天気が一週間続くと思うと、気持ちまで水滴に湿っていく。

標津町から開陽台展望台、摩周湖を走るが案の定ガスで真っ白だ。
ここは4回ほど来ているが、真っ白は初めてだった。

午前10時30分過ぎに摩周湖から屈斜路湖方面に進むと少しずつガスが抜けて青空に一変しテンションが上がった。
自分の天気予報通りの展開だ。

その後は、津別峠、美幌峠、メルヘンの丘、小清水原生花園は快晴で絶景を存分に楽しんだ。
特に小清水原生花園は、オホーツク海に浮かぶ知床連山が爽快だった。
また、斜里岳をバックに草を食む馬の光景もいい。

斜里からウトロに向かう途中に、オホーツク海に沈む赤々と燃える夕陽がルームミラーに映っていることに気付いた。
漁船が係留している海沿いの適当な駐車スペースを
見つけた。
そこで駐車し、海辺まで歩いて小高い岩に座わる。オホーツク海に沈む夕陽に目を奪われた。

この素晴らしい夕陽を用意してくれた自然の営みに合掌。

午後18時過ぎにウトロに到着し、夕陽台日帰り温泉で450円払ってひとっ風呂。
管理人のおばさんから明日は雨だよ、と訊いて少し気持ちがダウン。
それを気遣ってか、知床の観光地図を渡され、観光グルメスポットを教えてくれた。
おばさんの優しい気持ちが身に沁みる。

さて明日はどうするか。
天気次第では休戦扱いにして、知床のホテルで大露天風呂、夕食豪華バイキングでも楽しもうか。

それとも...伝い訊いていたあの場所へ行くか...

自分の気持ちは半分半分だった。
とりあえず明日の天気をみて判断しようと考えた。

今日の車中泊は道の駅 うとろ・シリエトクだ。

いつものように晩飯は、コンビニで買ったチキンカレーライスとビールで一服する。
どうか明日の午前中だけは天気は持ってほしい。
そう念じてそのままシュラフにもぐりこんだ。

本日の走行距離 304km

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今日からノートに天気予報を日々更新。
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開陽台の近くにあるライダー人気の北19号。
折り畳むような一直線です。
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川湯温泉にある硫黄山
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横綱大鵬川湯温泉出身。
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屈斜路湖の砂湯は、文字通り砂の中は温泉でした。
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津別峠から絶景を眺める。
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美幌峠から屈斜路湖、中島を眺める。
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メルヘンの丘です。
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原生花園駅です。
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小清水原生花園から知床連山とオホーツク海
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斜里岳をバックに草を食むサラブレッド。
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知床斜里駅。ここも4回目です。
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オホーツク海に沈む夕陽に感動。


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#75 新北海道紀行 快晴でドライブ満喫

2020年9月8日火曜日
4日目

道の駅 しほろ温泉で6時起床。
さて今日はどうするか。
羊蹄山十勝岳方面は天気下り坂のようだ。
まぁ帰りのフェリー乗船12日までは天気回復するだろう。

ずっとコンビニ弁当でお腹を満たしたので無性に刺身が食べたくなった。
それでおよそ1時間30分要する釧路の和商市場に向かうことにした。

道東方面は快晴だ。
国道392号から白糠町で太平洋に沿って38号線を走る。
ほどなく釧路の和商市場に8時30分過ぎに着く。
2011年以来の訪問だが、コロナの影響で極端に客が少ない。
あの当時はごった返しで大変な賑わいだった。

以前に釧路のゲストハウスのオーナーからゲストハウスをやらないかと誘われたことがあった。
関西出身の方で定年退職後のセカンドライフでゲストハウスを立ち上げた方だ。
今も元気に経営しているが70歳超えており、後継者が欲しかったのだろう。

その当時の地元釧路の食い道楽をいろいろと教えてくれた。
和商市場に岩崎惣菜屋の刺身定食が旨いと記憶していたのでそこで朝食を食べることにした。
評判通りの美味だった。
マグロ、ホタテ、甘エビ、煮物等セットでボリューム満点でマグロのとろり感は最高だった。
さすがにオーナーのおすすめの一品だった。

次に細岡展望台へ向かう。
2006年家族で初めて北海道旅行して以来で雄大釧路湿原はそのままだった。
蛇行した釧路川、遠くに登頂したことがある雌阿寒岳が聳えていた。

この光景に満足した自分は更に東へ進み、牡蠣が有名な厚岸湖、霧多布岬へ走る。
霧多布は4度目のドライブである。
これまでは名前通り霧が多く視界が悪かった。
今回は初めて霧のない紺碧な海を見ることができ感無量だった。

霧多布岬から広々とした砂丘海岸道路は実に快適なドライブだ。
水のほとりでたむろしていた、馬が群れをなして飲む光景は牧歌的であり、まさに北海道ならではの風景だ。

見渡す限りの太平洋を眺めながら142号を走り、根室半島の最先端である納沙布岬に16時過ぎに着く。
ここは4度目になるが、前方に見える島影に複雑な思いにかられる。
貝殻島納沙布岬からわずか3.6kmの至近距離。

貝殻島水晶島色丹島は、はっきり言って日本の領土だ。

北方領土資料会館に入る。
きれいな顔立ちをした、20代の若い事務員の女性から北方領土の歴史の説明を受けた。
日露戦争による千島列島、樺太交換から説明が始まり、北方領土ロシア上陸までの経緯を端的に説明してくれた。

少しずつ世界史が蘇ったとともに怒りがこみ上げてきた。

日本が敗戦宣言したにもかかわらず、日ソ中立条約を破り、どさくさ紛れのロシアの侵攻はアフガニスタンクリミア半島侵攻と変わらない。
北方領土を返せ」のスローガンに胸が痛む。
この叫びがどこまで日本国内の隅々まで行き渡っているのだろうか。
巨大なモニュメントの下に平和の炎が燃え続いている。

自分は反射的に合掌する。

根室駅前の観光情報センターで近場の銭湯である、みなと湯を紹介してもらい、450円払ってひとっ風呂。
入浴後は駅前の小スーパーで半額のかつ弁当を買い、今晩の車中泊である道の駅 スワン44ねむろに向かった。

今日は快晴に恵まれ、海の輝きが眩しいほどきれいだった。
まるで昨日のトムラウシ登山の天候を晴らすかのようだった。
明日の羊蹄山十勝岳方面は曇り、雨マークだ。
下手すると12日には帰れないと嫌な予感がする。

さてどうするか。
寝てから考えることにしよう。

本日の走行距離 312km

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2006年以来の道の駅 しらぬか恋問の前庭。
自分の子供がはしゃぎ回る姿を思い出します。
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釧路和商市場です。刺身定食は美味だった。
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釧路駅と細岡展望台。
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厚岸は牡蠣の宝庫でした。
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砂丘海岸通りを走ると群れをなす馬の光景が見られます。
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霧多布岬から見事な紺碧な海。
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アゼチの岬も霧がなく晴れていました。
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昆布盛のネーミングがいかにも北海道らしい。
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花咲岬への道。
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花咲岬から北方領土である水晶島を眺める。
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根室半島最先端の納沙布岬への道です。
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納沙布岬に到着。
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根室駅にて。
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今晩のお風呂と夕飯です。


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#74 新北海道紀行 旅先で知り合う楽しさ最高

2020年9月7日月曜日
3日目

無事にトムラウシから下山した自分は、汗を流す場所を探していた。
スマホナビで道の駅 温泉 でググったら、しほろ温泉にヒットした。

しほろ温泉に電話したところ、トムラウシ登山口から車で1時間30分で来れるので最終受付時間21時までOKとの連絡を頂く。
今晩の車中泊は道の駅 しほろ温泉で決まりだ。

15時過ぎにトムラウシ登山口を出て16時30分過ぎに道の駅しほろ温泉に着く。

ここの温泉はモール温泉といって美肌によいとされており、十勝川独自の温泉である。
モール温泉とは、植物起源の有機質を含んだ温泉だそうだ。
この温泉に2時間ほど、たっぷり汗を流したら疲れが取れた。
実に気持ちのいい温泉だった。

お腹が空いたので食堂で豚丼を注文。
テレビで最大級といわれた台風10号が九州に上陸し、特番放映されていた。
台風がなければ今頃は鹿児島の開聞岳に登っていたはずである。
九州各地の安全無事故を祈られずにいられない。

豚丼を食べた後は、車中泊先の駐車場に移動する。
時刻は19時過ぎだが、まだ夏の暑さがある。

前方から路肩に腰かけて座っていた60歳過ぎの男性より声をかけられる。

「いやー暑いですね!」

見るからに気さくの良さそうな、少し童顔が残る男性。
車のナンバーを見ると足立ナンバーで自分と同じ東京だ。
男性も自分の車ナンバーが八王子に気付き、

「同じ東京ですね。東京のどちらからですか」

と訊かれたのであきる野ですと答える。
ここから男性との会話のキャッチボールが始まるのだが、大変に興味のある話をしてくれて面白かった。要約すると以下になる。

・この男性は、Nさんといって毎年7月と9月の2回北海道に旅行している。

・車はトヨタダイハツのワンボックスで室内は40万でギャンピングカー仕様しており、とても自慢している。この車のおかげで北海道の旅先で友人をつくることができたという。

・北海道の旅行目的は、ヒグマの小熊をウオッチすることであり、9月は鮭が遡上するので小熊が姿を現す機会が多いので今回はそれで来た。

・Nさんがヒグマをウオッチする場所は、道の駅知床から車で15分のところの川付近であり、ヒグマが現れるまで1日中ずっと待機するという。

・小熊が可愛くてしょうがないと素敵な笑顔。車に小熊のぬいぐるみが置いてあり、毛並みは本物だという。

・これから知床に行く機会があれば是非行ってみてはと誘われる。

・帯広が大のお気に入りで、2年間帯広のマンションで生活したことがある。駅前のマンションで6万円は安いでしょうと。

・北海道の温泉は、日高海岸にある三石と鵜川は最高だから是非寄ってみてくださいと有益な観光情報を教えてくれる。

・現在63歳で子供なしの独身。

・34年間玩具メーカーの営業をやり続け、土日も働き会社に尽して58歳で早期退職。退職金と貯蓄で十分に生活できる状態で60歳からフリーで働いていない。

ざっとこんな感じだった。
これからドライブするのに貴重な情報をゲットし助かった。
Nさん情報を参考にドライブしたことが旅行の質を上げてくれた。

またどこかの道の駅でNさんに再会できるかもしれない。
そんな気持ちを起こさせる不思議な魅力を持つNさんだった。

本日の走行距離 93km

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トムラウシ登山口から途中の道の駅南富良野です。
天気も回復して青空が広がり、人も多かった。
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道の駅しほろ温泉の写真を撮り忘れました。
道の駅資料でご勘弁ください。


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#73新北海道紀行 遂にトムラウシ登頂へ

2020年9月7日月曜日
3日目

なかなか深い眠りに入らない。
理由は、念願のトムラウシ登山が実現できる興奮と往復12時間の長丁場への体力不安、ヒグマ出没の恐怖によるものだった。

浅い眠りから目を覚ましたのは深夜1時30分過ぎだった。
深夜2時に登山開始と決めていたのですでに登山モードに入り、手早く身支度をすませて登山口を出発する。

今日は、標高2141mの百名山であるトムラウシに登る。
往復18.4km12時間の長丁場である。

ここでトムラウシについて簡単に説明。
トムラウシとはアイヌ語で「花が多いところ」「水垢が多いところ」の意味らしい。
トムラウシは、北海道中央部にある美瑛町新得町の境に位置している大雪山奥座敷である。
夏でも天候が崩れると体感温度が極端に低くなる。
2009年7月に団体ツァーの登山者8人が遭難したことは記憶に新しい。

決して侮れない山であり、気持ちを強く持って挑もうと覚悟して登る。

隣の神戸ナンバーの登山者はすでに登っているようだ。
3週間前に好日山荘登山店で購入した、ヘッドランプを装着して登る。
このヘッドランプは非常に輝度が高く、先がよく見えるのでとても心強い。

空を見上げると月から青白い光を放っている。
満天の星が輝き渡り、手が届きそうだ。
東方にオレンジ色の光が放っている。
まるで今日の好天を約束しているかのように。

すっかりヒグマの恐怖は消え失せ、ヘッドランプの光を頼りに暗闇の中へ登り続ける。

4時30分過ぎにコマドリ沢出合に着く。
まだ暗いが、少しずつ薄ら明かりに変化しているようだ。沢水を手で掬って飲む。
コマドリ沢出合は、ヒグマが出没する頻度が高いと訊いていたが、その気配は感じられなかった。

コマドリ沢出合からガレ場の急登を1時間登りきると前トム平に着く。
ここで好天予想も天候が急変する。

風が強くなり、にわかにガスが押し流されて視界が悪くなる。
雨気配を感じたので急ぎ雨具に着替える。
ここでコンビニで買ったおにぎりを2個食べて頂上まで2時間弱の体力補給を行う。

前トム平から急登に耐えるとトムラウシ公園に着くも残念ながら視界ゼロで何も見えない。
霧雨が強く、時折メガネレンズが曇るので手で拭くありさまだ。

とにかく登山ルートから逸脱しないことだけを考える。
曇るメガネレンズから必死にガレ場のペンキ印を探しつつ登ることを集中した。
こんなところで遭難してたまるかの気持ちが強かった。

視界ゼロのガスの中をひたすら前進し、7時50分に
遂にトムラウシ山頂に着いた。
期待していた展望は望めなかったが、残念無念の気持ちよりも、やり遂げた達成感が強かったと思う。

ガスの上空から太陽が時折見え隠れするので、もしかしたら晴れ間を期待したものの、寒風で身体が冷える。
そそくさと8時20分に下山開始した。

往路と同じルートを辿って下山するのでいくらか気持ちが楽になった。
10時過ぎにいくらか霧雨が落ち着き、気温が上昇して涼しくなった。

またトムラウシ公園に戻り着いた時は、少しずつガスが晴れてきた。
晴れたトムラウシ公園は、奇岩と巨岩に囲まれた、さながら巨大な日本庭園といった感じで見応えがあった。
トムラウシから下方は、すでに紅葉が始まっていた。
もう秋色なんだ。

トムラウシ公園から30分ほど下山し、前トム平が見える。
登りはガスで真っ白だった前トム平は、辺り一面紅葉が始まろうとしていた。
今日の最高のビューポイントだった。

後から追いつかれたソロ登山者から、山頂はガスで視界ゼロでがっかりしたけど、ガスが抜けて雄大な山々や紅葉が見れて良かった。
この風景がなければ、ただ登頂しただけだと素敵な笑顔。

全く同感だ。
山の天気は変わりやすい。
好天予想も天候急変があることをしかと受け止めることが大事だ。

予定通りに14時前に登山口に着いた。
やっぱり往復12時間の長丁場だった。
無事に下山し、ヒグマに出会わないで良かったと安堵する。

百名山76座達成 残り24座

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深夜2時でもヘッドランプでこんなに明るくなります。
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月が青白い光を放ち心強かったです。
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カムイ天上のネーミングがいいね。
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前トム平からガス。
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トムラウシ公園もガス。
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トムラウシ登頂。晴れてください。
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トムラウシ公園は紅葉が始まりました。
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ようやく青空。
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前トム平も晴れてきた。
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紅葉が走っています。
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コマドリ沢出合の水は美味だった。
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またカムイ天上に戻りました。
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ようやく登山口に下山。お疲れさまでした。

#72 新北海道紀行 華やかな色彩に心癒す

2020年9月6日日曜日
2日目

新日本海フェリーは予定通り午前4時30分過ぎに小樽港に着く。
小樽港一面はまだ暗いが、少しずつ明るくなるのが膚で感じる。

4時50分過ぎにフェリーを下船し、5年ぶりに北海道に上陸する。
道央自動車道を走ると、札幌で夜明けを迎える。
今日は好天が期待できそうだ。

前晩に6日の行動をどうするかいろいろと考えた。
百名山踏破が主目的である、羊蹄山十勝岳トムラウシの三座をいかに効率的に踏破して12日に苫小牧からフェリーで新潟まで帰ることが当初の計画である。
つまり、新潟から中央アルプス紀伊半島百名山を踏破し、山口、広島方面まで観光ドライブする壮大な計画を立てていた。

羊蹄山ニセコ地域に位置しており、小樽港から1時間30分で羊蹄山登山口に着く。
登山ルートは往復10時間で激しい体力を消費する。
翌日の7日はトムラウシ登山が決定しており、トムラウシの登山ルートは往復12時間を要する。

トムラウシ登山に体力温存したいので、羊蹄山は後回しの12日土曜日にした。
自分の体力を考えると、連日10時間を越える登山はかなりのハードであり、下手すると、体力疲労によりトムラウシに登頂できない可能性がある。
両山とも小屋がないので日帰り登山となるのでこの選択しかない。
しかも十勝岳が控えており、ここは10日前後に登山する予定である。

肝心の天気予報であるが、7日までは晴れマークも8日過ぎから曇り時々雨の下り坂になる。
東北からの前線が北上し、一定の間に北海道に張りつくようだ。
天気次第であるが、最悪はトムラウシ登頂だけになることを覚悟して気持ちの準備が必要と考えた。

上述により、今日は羊蹄山を登ることを止めて美瑛、富良野の観光巡りにすることにした。
この決断が、日程計画に大きな影響を与えることになるとは想像もしなかったのである。


旭川鷹栖インターを下りて旭川市街に入る。
懐かしのオレンジ色が目印のコンビニである、セコマートが飛び込んできた。
ここで朝食と昼食用のおにぎり、菓子パン、ペットボトルを買う。

旭川市街から237号、157号を南下し7時50分過ぎに美瑛駅に着いた。
久しぶりの美瑛駅は小綺麗な駅舎で駅前通りもクリーンな印象を受けた。
さすがに若い女性に人気のある美瑛だけに環境に配慮されていることがうかがえる。

美瑛といえばパッチワークと四季彩の丘だ。
ケンとメアリーの木、セブンスターの木、三愛の丘、北西の丘はあの時の光景と変わらない。
蕎麦畑とじゃがいも畑が実に延びやかで気持ちいい。
登山予定の十勝岳連峰もよく見えており、闘志が湧いてくる。
四季彩の丘は名称通りカラフルな色彩で丘を覆っていた。1時間ほど散策し心が癒された。
今日一番の観光スポットだった。

その後は富良野の冨田ファームを散策し、南富良野から狩勝峠を経て新得町方面に車を走りだす。
トムラウシ温泉からトムラウシ登山口までのルートは、車幅が狭い上にアスファルトならぬ悪路を進む。
尖った石が散りばめられているので、尖った石を避けてタイヤがパンクしないように神経を使って徐行運転する。
ここでタイヤがパンクしたら全ての計画が水の泡になるので、20km前後の減速で慎重にハンドルを握る。

徐行運転で前進すると、山の奥地に入っていることがわかる。
時刻は17時を過ぎ、ようやく30分間にわたる悪路運転から解放され、トムラウシ短縮登山口駐車場に到着した。
駐車場は静岡、神戸ナンバー等の車があり、8台駐車していた。

明日は、いよいよ待ち望んだトムラウシ登山だ。
百名山の中でも難易度が高い山といわれているだけに緊張感も高なる。
なんといっても往復12時間の長い登山ルートだ。
コンビニで買った弁当とビールをすませて20時過ぎにシュラフにもぐりこむ。

どうか晴天であってほしいと、星に祈りながらそのまま眠りに入る。

本日の走行距離 358km


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札幌の朝焼けです。
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美瑛駅の駅舎はお洒落な建物。
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お気に入りの一つである赤い屋根は健在でした。
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ケンとメアリーの木。どうってこともないけど気になる木なんだよな。
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セブンスターの木。たばこのセブンスターのパッケージに採用されたことで有名になった木みたいです。
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緑と青い空がなんともいい。
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今年初めて見かけたコスモス。
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三愛の丘からの眺めです。
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新栄の丘からの眺めです。
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千代田の丘から見た牧草地です。
2006年に来た時は、草丈が長い原っぱで、自分の子供が走り回って遊んでいましたが、今は牛が草を食んでいます。
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美馬牛小学校です。
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四季彩の丘です。青空とカラフルな花に癒されました。
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冨田ファームです。
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富良野から見た十勝岳連峰
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狩勝峠からの眺めもよかった。
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トムラウシ短縮登山口駐車場です。



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#71 新北海道紀行 8度目の北海道へ

2020年9月5日土曜日
初日

読者の皆さん
ご無沙汰しています。
お元気でお過ごしのことと思います。

皆さんに、久しぶりに拙い紀行文を書けて嬉しいです。
実は会社より永年勤続のご褒美として10日間のリフレッシュ休暇を取得しました。
シルバーウィーク4日間を追加して合計18日間の旅行をすることができました。

来年に定年を迎える最後のご褒美として受け止め、
どこへ行こうか考えました。
新型コロナがなければ海外旅行へ行きたいところですが、飛行機が飛んでいません💦

そこで九州の百名山5座踏破を考慮しつつ、九州各地でドライブ観光する予定でした。
しかしながら、台風10号が最大級の猛威を奮って9月6日九州に上陸するとのニュースに接し、鹿児島までのフェリー予約を急遽キャンセルしました。

さんざん悩みましたが、台風による土砂崩れ等の災害の中で百名山登山、観光ドライブする気になれず、断念しました。
今年のGWは、九州旅行を計画していましたが、新型コロナによる緊急事態宣言で延期、そして今回の台風でまたもや延期で、なかなか遠い九州😓

8月に天候不順で取り止めた北海道に行こうと9月4日に急遽決めました🔥
百名山登山と観光ドライブを存分に楽しもうと気持ちを切り替えました☺️

北海道、今回で何度目なのか、少し遠い過去に遡ってドライブコースを辿り、整理しました。
その結果、今回の北海道旅行は8度目だとわかりました☺️☺️☺️

①1982年9月 大学2年 登山サークルの仲間と旅行
苫小牧、襟裳岬、厚岸、根室、知床、摩周湖阿寒湖屈斜路湖、層雲峡、旭岳登山、札幌、余市、函館

②2006年7月から8月 9日間家族と旅行
小樽、美瑛、富良野、釧路、別海、摩周湖阿寒湖屈斜路湖旭川動物園、層雲峡、黒岳登山、苫小牧

③2007年7月から8月 9日間家族と旅行
小樽、稚内礼文島サロマ湖、網走、旭川、登別、支笏湖洞爺湖、苫小牧

④2008年 8月 5日間 家族と旅行
小樽、積丹半島ニセコ、函館、大沼公園長万部、札幌、石狩、厚田、苫小牧

⑤2009年7月から8月 9日間 家族と旅行
小樽、美瑛、富良野、層雲峡、旭岳登山、北見、知床、帯広、十勝、襟裳岬、苫小牧

⑥2011年7月から8月 9日間 ソロ
小樽、美瑛、富良野、日高、釧路、根室、知床、サロマ湖稚内、羽幌、天売島、焼尻島、苫小牧

⑦2015年7月 10日間 ソロ
小樽、稚内利尻島 利尻岳登山、斜里岳登山、雌阿寒岳登山、知床、羅臼岳登山、富良野、美瑛、トマム、苫小牧

⑧2020年9月 18日間 ソロ
トムラウシ山登山、十勝岳登山、羊蹄山登山
ドライブコースは紀行文で追ってお知らせします
ので楽しみにしてください。

さて、8度目の北海道旅行は、果たして目標の百名山三座は達成なるのか?
いかなる結末が待っているのか?

最後までお付き合いのほど宜しくお願いします。

本日の走行距離 314km

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12時に新潟港から新日本海フェリーあざれあ号で出港。小樽まで16時間航行します。
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あざれあ号の船内光景です。
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秋田から青森にかけての日本海の夕日です。
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船内で軽く夕食。
コロナ対策で定員の半分以下で静かでした。


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#70 信濃紀行 花も山も蕎麦も最高だぜ

2020年8月30日日曜日

午前5時30分に畳平行きの乗鞍高原シャトルバス停に自分は立っていた。
始発は6時10分なのでまだ時間があるが、登山者は優に100人越えている。
昨日の始発のシャトルバスは臨時バス含めて5台だったと自分の前に並んでいた男性は言っていた。

暇潰しにこの男性との山雑談が楽しかった。
7月下旬にトムラウシを始め北海道百名山を踏破し、昨日は中央アルプス御嶽山に登頂して昨晩は乗鞍高原の民宿で泊まったという。

群馬からいらした60歳前後の爽やかな男性。
山登りは4年前に始めたばかりで早くも百名山は、今日の乗鞍岳で60座だという。
恐るべしハイペースに目を丸くした。
スマホトムラウシ屋久島の宮之浦岳の写真と高山植物の写真を見せてくれた。

とても楽しい表情をしていた。
トムラウシ宮之浦岳は未踏の山なので現地情報を仕入れることができ、大変に助かった。

この男性も基本は車中泊で山登り中心にして余った時間は現地の観光巡りで楽しむという。
ひとりのほうが気楽で、好きな場所を自由に行けるので楽しいという。
自分と同じ考えなのでなぜか嬉しくなった。

定刻通り6時10分にシャトルバスは出発。
20分経過後車窓から雲海の山々が見える。
シャトルバスは1時間かけて登り続け、目的地の標高2702mの畳平に着いた。

今日は標高3026m百名山である乗鞍岳剣ヶ峰に登る。
畳平からわずか1時間30分で3000m級の山に登頂できる手軽な山だけに登山者も多い。

畳平からお花畑を歩くと、チングルマの綿毛、イワギキョウ、トウヤクリンドウ、ウサギギク、コマクサ等高山植物が朝露に濡れながらも出迎えてくれた。
登山者は歓声をあげて、我を先にとの思いでシャッターを切っていた。
とかいって自分もそのひとりであるが(笑)

お花畑を存分に楽しみ、乗鞍岳肩の小屋を目指して緩やかな登山道を歩く。
今日も見事な青空だ。
湧き上がる夏雲が素晴らしく美しい。

ほどなく肩の小屋に着き、ここから剣ヶ峰への本格的な山登りだ。
急登な砂利道は少々歩きにくい。
眼下に火口湖であるコバルトブルーの権現池が姿を現した。
青空と白い雲とコバルトブルーがなんともいい。
しばしこの光景に立ち尽くした。
そこで合掌する。

砂利道からガレ場に変わり、乗鞍岳上小屋を過ぎると神社が見え、ついに乗鞍岳剣ヶ峰に登頂する。
予定通り1時間30分の8時30分だ。

山頂からの眺めは360度の大展望であり、中央アルプス御嶽山北アルプスが見える。
なんといっても青空と白い雲、コバルトブルーの対比が素晴らしい。
登山者の方々が 次の3つキーワードを並べて言葉を発していた。

素晴らしい!
絶景!
きれい!

山頂でシャトルバス停に出会った群馬からいらした男性にまた会った。
お互いに笑顔で握手を交わす。

最高だね!

この言葉だけで十分だった。

絶景を楽しんだ後は畳平に戻り、11時5分発の乗鞍高原行きのシャトルバスに乗り、12時過ぎに車を駐車している乗鞍高原に戻る。

さて、まだ時間があるので観光巡りでもするか。
昨日車中泊した道の駅 風穴の里で見かけたポスターを思いだした。
そのポスターは 奈川温泉 とうじ蕎麦 と銘打っていた。
とうじ蕎麦ってなんだろう。好奇心にそそられて、車を走らせた。

乗鞍高原から84号で前川渡を右に曲がり158号を伝い、奈川渡を右に曲がって26号を走ると40分で目的地に着く。

そこは そばの里 奈川 という蕎麦屋だった。
暖簾をくぐり、20代の若い女性店員にあのポスターを見かけた、とうじ蕎麦を食べたいと注文した。
ほどなくテーブルの上にガスコンロが置かれた。

ガスコンロ⁉️
今 夏でしょっ‼️
冷たい蕎麦じゃあないの‼️

今さら注文を取り消すわけもいかず、次の品を待っていた。

野菜、キノコ、鶏肉が一杯に入った熱々の鉄鍋がガスコンロに置かれた。
すぐさま店員が火をつけてくれた。
ざる皿にとうじ蕎麦が5玉があり、世にも珍しい「とうじかご」が置かれていた。
店員いわく、鉄鍋に蕎麦をとうじかごに入れて5秒位しゃぶしゃぶ感覚のイメージで食べてくださいという。

その指示に従い食べてみたらなんとこれが美味!
とうじ蕎麦は冬に食べて体を温めるそうであるが、夏でも汗をかきながら食べるのもいいと思った。
周囲を見渡すと同じように食べている人もいた。

とうじ蕎麦の由来は、蕎麦をつゆに浸すことを湯じという。これがとうじ蕎麦になったと店員がいう。

新たなる蕎麦の発見だった。

次に19号を走り奈良井宿に向かう。
30分ほどで奈良井宿の駐車場に着いて奈良井宿をぶらぶら1時間散策する。

奈良井宿は江戸時代の面影を残すレトロな雰囲気だった。
全長約1kmある。軒先の建物が風情があっていい。

資料によると、奈良井は戦国時代に武田氏の定めた宿駅となっており、慶長7年1602年江戸幕府によって伝馬制度が設けられ、中山道67宿が定められており、奈良井宿は34番目の宿場だったと記されていた。

歴史のロマンを感じた。

今日は絶景、新発見の蕎麦、レトロの風情を堪能した最高の1日だった。

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今日はシャトルバス停からスタートです。
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イワギキョウ
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トウヤクリンドウ
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ウサギギク
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コマクサ
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チングルマの綿毛です。
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乗鞍岳が迫ってきました。
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この砂利道は登りづらい。
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火口湖の権現池と雲海です。
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乗鞍岳剣ヶ峰に登頂。
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権現池と前方は北アルプス
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剣ヶ峰からの展望です。
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とうじ蕎麦 ごちそうさまでした。
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奈良井宿は江戸時代のレトロな雰囲気がありました。

#69 信濃紀行 山男の優しさに胸キュン

2020年8月29日土曜日

午前1時30分過ぎに自宅を出発し、長野県松本市にある沢渡(さわんど)駐車場に向かう。
ナビで全長215km3時間と表示。
あきる野インターから圏央道八王子JCTで中央道で松本インターを走り、158号で沢渡駐車場に予定通り4時30分に着く。

沢渡駐車場は6年ぶりだが、だいぶ様変わりした。
立派なバスターミナルが出来たのだ。
上高地行きの始発バスは5時であるが、すでに登山者は100人を越えて並んでいた。
イカー規制で沢渡から上高地までは通行規制なので交通手段はこのバスを利用するしかない。
5時過ぎの始発バスに乗り、6時前に上高地帝国ホテルに下車する。

前置きが長くなったが、今日は、百名山である標高2455mの焼岳に登る。
焼岳は北アルプスでは数少ない活火山の一つであり、活火山の状況次第ではいつ登山禁止になるかわからない山である。

外見が華やかな上高地帝国ホテルの前を通り過ぎ、梓川に沿って歩くと焼岳登山口に着く。
樹林帯の中に、なだらかな登山道を登るといくらか急登に変わる。
高度を稼ぐ急登は随所に梯子が取り付けてある。
稜線が見える所まで到達すると焼岳が眼前に飛び出してきた。

稜線に向かって登ると焼岳小屋を通り過ぎ、焼岳頂上直下40分に差し掛かった。
登山道のガレ場は硫黄の付着した噴火孔から硫黄が立ち上る。
その噴火孔を避けるように急登を我慢して登ると遂に9時過ぎ焼岳に登頂した。
登山ルートのコースタイム4時間のところを3時間で辿り着いた。

天候は晴れて展望はよかったが、槍穂高連峰乗鞍岳の山頂付近はガスに覆われていたものの、白い雲が爽やかだ。
眼下に蛇行する梓川上高地全体が見渡せて気持ちいい。
存分に絶景を楽しみ、中の湯方面へ2時間かけて下山する。

12時過ぎに中の湯温泉 中の湯温泉旅館に着いた。ところが、旅館前にあるはずのバス停がない。
そこから車を駐車している沢渡駐車場まで帰えるバス停がないのだ。
旅館に訊くとバス停は右に曲がってずっと下って歩いて40分だとか。

なにっ!なんかの間違いだろう!

あらためて登山地図を確認すると確かに旅館の前にバス停がある。
いったいどういうことなんだ。

やるせない気持ちでいっぱいだ。
迷路に陥った気分になった。

しょうがなくバス停まで40分約6kmかけて歩くことにした。灼熱が結構疲労にこたえる。
ほどなくして後ろから声がきこえた。

おいっ!乗って行かないか!

振り返ると、日に焼けた、一見して65歳過ぎのいかにも山男って感じだった。

ちょっと待てよ
あの方は見覚えがあるぞ。

焼岳から下山した時に途中で追い抜かれた方だ。
急に目の前が明るくなり救われた気分だ。
お言葉に甘えさせて乗せてもらった。

この方は、地元長野県の原村で米、野菜等の農業を営んでおり、週末は時間があれば山登りするという。百名山も挑戦しているようで北海道の登山について話が盛り上がった。
焼岳は10回以上登っており、車で自宅に帰る途中は、自分みたいな登山者を見ては拾っていくのだという。

この方の説明から今回のバス停の謎解きができた。
つまり、自分の持っている登山地図は1995年版地図であり古いのだ。
当時の中の湯温泉旅館の前は、確かにバス停があったが、5年ほど前に当旅館が引越、新築して現在の場所にあり、バス停は移動しないでそのままの状態だったのだ。

最新の情報を仕入れることに欠けていた。
猛省した思いだ。

結局、その方は通り道とは言え、沢渡駐車場まで送ってくれた。
乗車時間は約30分前後でバス料金にすると1300円だ。
車代金を渡そうとポケットから取り出すと、はにかんだ笑顔で「いいよ。」と窓から手を振って行かれた。

あのまま40分かけて下り、バスに乗ろうにしてもバス発着時間が不明であり、沢渡駐車場に何時に着くか見当もできない。
下手したら夕刻になっていたかもしれない。
本当に救われた思いだった。

山男のさりげない優しさに触れて、久しぶりに心が温かくなった。
今でもその方の優しい笑顔が脳裏に焼きつけている。
自分もそんな山男になりたいと思った。

明日は乗鞍岳に登る。
天気も良さそうだ。
今晩は道の駅で車中泊としよう。

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上高地帝国ホテルから歩きます。
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梓川に沿ってしばらく歩きます。
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この登山口からスタートです。
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焼岳が眼前に迫ってきました。
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焼岳小屋の前を行きます。
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稜線に出たら笠ヶ岳が見えました。
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噴火孔から硫黄を避けて登ります。
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ついに焼岳に登頂。
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蛇行する梓川上高地が見えます。
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穂高連峰は少しだけ隠れていました。
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赤い屋根が西穂高山荘です。
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笠ヶ岳と眼下は新穂高温泉
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登山者も歓声があがる。
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焼岳よ また来るぜ。
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噴火孔から立ち上る硫黄が、焼岳頂上直下の正賀池を横切る。
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せせらぎの湯で2時間まったりしました。
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道の駅 風穴の里 で車中泊です。

#68 熊野伊勢志摩紀行 江戸時代にタイムスリップだ

2020年8月15日

今日のメインイベントは、クルーズのあご湾遊覧と伊勢神宮散策だ。
今日もうだるような暑さだ。
空は抜けるような青空で、クルーズを廻るのに最高の環境である。

9時にクルーズチケットを購入する。
乗船9時20分までの間は、灼熱を受け額に汗を流しつつ立ち並んだ。
そこにサザエ獲りの海女さんが通りかかる。
自分は美人の海女さんに驚き、ツーショットをお願いしたら快くOKをもらった。ありがとう!

ようやく乗船し、9時30分に待ちに待った出港だ。
心地よい潮風とエンジンの唸りがいい。
青空と紺碧な海の中を50分かけてあご湾を廻る。
ジェットボートが気持ちよくスイスイ追い抜く。
ボートの上で釣糸を垂れる釣人が見える。

船内放送で真珠について説明があった。
真珠養殖の発祥の地は三重県鳥羽あたりのようだ。
真珠養殖を産業化しブランドにさせたのは、御木本(みきもと)幸吉さんだったらしい。
みきもとのネーミングで記憶が少しよみがえる。
そういえば銀座を散策した時、宝石のミキモトの店に入った記憶がある。
このミキモトの真珠をブランドにさせたのが三重県内の海だったんだ。

あご湾も養殖真珠の一つだ。
真珠を拾い上げる仕掛けの場所が随所にあった。
御木本さんの真珠に対する情熱が脈々と受け継がれているんだ。
技術を繋げる伝統って素晴らしいと思う。

30分経過後、クルーズは真珠体験ができる出島に停船する。
一時的ではあるが小さな真珠見学工場に出向き、地元の女性が真珠を摘出する場面を見学する。
本物の真珠に出会い感動した。
おかみさんと長女はその様子を熱心に見入り、感動のあまり土産物店で真珠を買ったみたいだ。

次に2000年の歴史があり、伊勢志摩地域に点在する125社の神社からなる聖なる地である伊勢神宮を散策する。
パワースポットであるだけに、神気が満ち溢れているのがわかる。
内宮に参詣し、気持ちが落ち着くのはなぜだろうか。

その後はお祓い町通りを歩く自分がいた。
このお祓い町通りは、五十鈴川に沿っておよそ800mの石畳が続く美しい通りだ。
この通りは土産物店、飲食店が立ち並ぶグルメスポットでもある。
お祓い町通りを歩くと、通り界隈そのものが江戸時代にタイムスリップした気持ちになり、なんとも不思議な感覚であった。

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このクルーズであご湾を廻ります。
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美人海女さんとツーショット。
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いよいよ乗船です。
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さぁ出港だ。船長さんも張りきっています。
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クルーズから眺めるあご湾です。
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どこに真珠があるかわかりますか?
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伊勢神宮を参詣。
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江戸時代にタイムスリップしたお祓い町通りを堪能しました。

#67 熊野伊勢志摩紀行 熊野でハートを見つけたぜ

2020年8月14日金曜日

今日から1泊2日の熊野伊勢志摩旅行だ。
長男が都内下宿先から自宅に遊びに来てくれたので
久しぶりに4人で旅行する。
家族4人揃って旅行するのは何年ぶりだろうか。

記憶を辿ると3年前の2017年8月に福井県、石川県旅行以来ではないか。
石川県にある白山登山が良い思い出だ。
かみさんも久しぶりの水入らずの家族旅行で早朝からルンルン気分だ。

夜明け後の4時に自宅を出発し、圏央道あきる野インターから海老名インターで東名自動車を走る。
静岡、浜松湖、名古屋を走り、伊勢湾岸道に乗り換えて海沿いの国道42号を走ると予定通り10時過ぎに三重県熊野市に着く。

かみさんが世界遺産獅子岩鬼ヶ城に行きたいと言う。
今回の家族旅行は、日頃の感謝の気持ちを込めて、かみさんを喜ばせるための、かみさん孝行である。
かみさんの言い分を受け入れる旅行だからなんでも受け入れよう!

以下はドライブに行った順の写真です。

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まさに獅子の表情をする獅子岩です。
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獅子岩から30分車を走らせて丸山千枚田へ。
ここの田んぼは1340枚あり、日本最高クラスの棚田です。
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丸山千枚田から鬼ヶ城へ40分ドライブ。
鬼ヶ城の海岸は奇岩が多く、さすがに世界遺産でした。
少しモデル気分の長女です。
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海岸にハートを見つけました❗
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熊野の紺碧な海を眺める。f:id:kunpu3684:20200825204126j:plain
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熊野から志摩へ2時間ドライブ。
かの有名な、あご湾を眺望し感動。
この場所から1時間離れませんでした。
絶景だぁ。。
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近鉄線 最終駅の賢島です。
いつかのんびりと近鉄線に乗って紀伊半島を廻りたい。
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今晩宿泊の志摩彩朝楽ホテルです。
ここのバイキングは美味しかったと、かみさんが喜んでくれた。
明日はクルーズに乗ってあご湾を廻ろうぞ。

#66 奥飛騨温泉郷 新穂高温泉

2020年8月5日水曜日

4泊5日の北アルプス縦走は、天気に恵まれて絶景を存分に楽しんだ。
疲れた体を癒すべく一刻も早く温泉に入りたかった。

新穂高温泉ロープウェイから今晩宿泊する民宿「麓庵 たきざわ」に電話をかけて到着の連絡をすると、20分後に車で迎えに来てくれた。
ドライバーは20歳代後半の男性で爽やか青年だ。
山はどうでしたかと訊かれたので絶景が見れて最高だったと答える。

コロナ禍で客足が鈍く、先週までは雨が多かったので客が激減したという。
今週は梅雨が明けたのでどうにか客が入り、あらためて客のありがたみがわかるようなことを言っていた。

どの世界も仕事があることは幸せだ。
仕事が自分を鍛え、人生を輝かせるのだ。
青年とのとりとめのない会話の中でこんなことを思った。

15分後に民宿「たきざわ」に着く。
古民家の建物で落ち着きのある佇まいだ。
本日の客は20人いるようで盛況な様子。
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青年から館内案内の説明を受けた後に入浴する。
温泉は湯量豊富なかけ流しで内風呂2つ露天風呂2つあり24時間全て貸切である。
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この温泉は自分の肌に合う。極楽のお湯だ。
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露天風呂に浸かった後は無料で缶ジュースを飲む。
この宿の粋なもてなしがいい。
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いよいよ夕食だ。コロナ対策でテーブル間隔していた。

ここから夕食のフルコースを紹介します。
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フルコースは前菜から始まります。
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飛騨ブランドの飛騨牛はとろりとした食感で美味い。
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山の温泉宿になぜかサーモンの刺身。
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地元で釣れた虹鱒笹焼き。笹で包むところがいい。
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まさかの飛騨牛寿司。美味かです。
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茶碗蒸しも美味い。
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揚げ里芋あんあけと味噌汁です。飛騨味噌汁が美味しくて3杯おかわりしました。
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最後はデザート。パンナコッタでした。
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前菜盛り、ご飯盛りとデザート盛りの陶器はおしゃれだ。
主人のこだわりが垣間見えます。

以上がフルコースでした。

スタッフの心のこもったもてなし、主人の優しさ、かけ流しの貸切風呂、贅沢にのんびりできる古民家でした。

2020年8月6日木曜日
ついでに朝食を紹介します。
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朴葉味噌の陶板焼きは飛騨名物である。
ご飯に乗せると美味い。

夕朝の食事はとても満足する内容だった。
リーゾナブル価格も嬉しい。
隠れ家としては最高の宿だと思う。
次はかみさんを連れて行きたい。

読者の皆さんもこの素晴らしい宿のもてなしを味わってみてください。

#65 北アルプス紀行 最終日によもやの体調不良で大ピンチ

2020年8月5日水曜日
北アルプス5日目
最終日

4時45分に山小屋の電球点灯に目を覚ます。
周囲の登山者はバックの荷物を整理し、いつでも出発できる準備をしている。

腹が減っては戦はできないので、朝弁当と称するビニール袋を取り出し、菓子パンをかじる。
一口飲みこんだが、胃袋から嘔吐気配を感じる。
とっさに体の異変を感じた。

結局何も食べられず、5時過ぎに三俣山荘を出発。
今日は最終日であり、岐阜県新穂高温泉まで約20km弱の9時間を歩き続ける。
三俣蓮華岳双六岳の稜線を歩き、弓折岳から小池新道を伝って下山するコースである。

まずは三俣山荘から1時間かけて三俣蓮華岳を目指すのだが、登り始めから急登の連続で苦しめられる。
さすがに5日間山登りしているので疲労が溜まるのは当然であるが、足が重くいつもの軽快なフットワークがない。
ご飯摂取不足の原因なのか、とにかく馬力が出ないのだ。
14kgのザックの重さも加わり、かなりのスローペースで登る。

40分ほどで樹林帯を抜け出し三俣蓮華岳双六岳に分かれる分岐点に立つ。
この分岐点からようやく槍穂高連峰を始め、北アルプス主峰が見える高さまで到達する。

少し体が重く感じるので三俣蓮華岳双六岳を登らずにトラバース(遠巻き)して双六小屋に楽して逃げることを考えた。
とっさに三俣山荘の美人女将さんが勧めた絶景スポットを思いだす。
ここでトラバースすると絶景スポットに出合わないので敢えて苦しい登山ルートを選択した。

分岐点から20分かけてガレ場をよじ登り、標高2841mの三俣蓮華岳山頂に着く。

早朝の展望は、空気が澄んでいるので清涼感があり山肌が鮮明できれいだ。
太郎平、黒部五郎岳薬師岳鷲羽岳水晶岳を踏破した山景色を堪能する。
天気も快晴であり、気分は最高だ。

次は双六岳に向かって1時間30分にわたる稜線を縦走する。
三俣蓮華岳から双六岳の稜線は大パノラマで気持ちいい。
この稜線はずっと平坦のイメージがあったが、それなりの高低差のあるアップダウンがあり、しんどかった。

前方の笠ヶ岳が間近に迫っていることを考えると、かなり前進していることがわかる。
双六岳頂上直下の手前30分のガレ場にさしかかったところで、体が鉛のように重く、馬力が出ない。
焦らずゆっくりと一歩づつ登る。
汗がとどめもなく流れて目にしみる。

なんとか標高2860mの双六岳山頂に着くも息絶え絶えだ。
たまらず小岩に腰かけて荒くなった呼吸を整える。
しばらく下を向いたまま体を休める。

小休止後、ザックから菓子パンを取り出して食べようとするが、胃袋が受けつけない。
昨日の夕食は半分も食べれず、今朝は何も食べていない。よってエネルギー補給ができていない。
激しい登山ルートに体が反応しないのだ。

最終目的地の新穂高温泉まで残り12km6時間弱ある。
果たしてどこまで体力を持つのか。
下手すると夕刻時間との勝負にもなりかねない。

双六岳山頂からの絶景を堪能後、次の目的地である双六小屋へ向かう途中で、突如現れた光景に出合う。

「あっ!」と声をあげた。

そこは山渓雑誌で見たことがある、まさに、美人女将さんが勧めた絶景スポットに自分は立っていたのだった。

この光景を待ち望んだ自分は、しばし我を忘れて茫然自失となる。
日本にこのような素晴らしい山風景があるとは...
嫌なことも全て忘れてしまうというか。
時間が止まる感覚だ。

不思議な空間だ。

これ以上言葉が見つからず説明できない。
自分は夢中になって何度もシャッターを切った。

三俣山荘の美人女将さん
素敵な絶景スポットを紹介してくれてありがとうね!

絶景スポットから双六小屋を越えて弓折岳を登る。
日射しが徐々に強くなり、30度超える。
今朝からろくに食べていないので、体がフラフラ状態だ。
懸命に高低差のあるアップダウンに耐えてひたすら前へ進む。
やや熱中症になりかけ、さらにザックの14kgの重さが追い打ちかけるように体力を奪いつつある。

変化する山風景にカメラを取り出して写真を撮る気力がない。
ただひたすら最終目的地に早く辿り着きたい気持ちが強かったと思う。
エネルギー補給不足からくる体力低下と30度超の灼熱による熱中症寸前状況のダブルパンチを受けつつ、半分意識朦朧ながらひたすら歩を進める。

まるで地獄ロードを歩んでいるようだ。

なんだかんだいって、双六小屋からの1時間30分の下山ルートに耐えて、やっとのところで鏡平小屋に着く。
美人女将さんの言う通り、かき氷🍧を注文する。
500円は良心的な値段だ。
かき氷でいくらか元気を取り戻すが、まだ体調は良くない。

地図に目をやると最終目的の新穂高温泉まで4時間ある。まだまだ先が長いんだ。。

気合いを入れ直して鏡平小屋を11時に出発する。
灼熱が更に強まり、体力ダウンを感じる。

1時間ほど歩くと小沢にさしかかる。
Tシャツを脱いで沢水でTシャツを存分に濡らす。
ザックからコップを取り出し、沢水を掬って頭上からかけ流す。
行水そのものだ。

幾度も小沢にさしかかっては、この行水を繰り返し、息を吹き返す。
この行水が功を奏し、熱中症が収まりつつあり、
少しづつ自分を取り戻した。
4時間の苦行に耐え、なんとか新穂高温泉に15時過ぎに辿り着く。

やれやれだ。。
疲れたよ。。

さすがに北アルプスは甘くないのだ。
まさかの最終日に熱中症寸前まで苦しめられるとは。。

体調不良の原因と思われる三俣山荘のアルファ米の晩飯が尾を引く形になるが、それに耐え得る体作りをしないと、百名山達成できないと悟った。

つらい話はこれぐらいしておこう。

今晩は久しぶりに湯舟に浸かることができるんだ。
事前に予約している民宿「たきざわ」でゆっくり体を休め、夕食をたくさん食べようぞ!

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薄ら明かりの槍ヶ岳の稜線です。
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三俣蓮華岳山頂に着く。
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昨日縦走した鷲羽岳水晶岳の稜線です。
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毎度の黒部五郎岳です。大好きな山になりました。
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雲の平と薬師岳です。これも大好きな山です。
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やっぱり槍穂高連峰は様になりますね。
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これから双六岳まで縦走します。
奥に見えるのは笠ヶ岳です。
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石川県と福井県の県境にある白山です。
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双六岳に登頂。来年は笠ヶ岳にチャレンジするぞ。
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手前から焼岳、乗鞍岳御嶽山です。
いずれも百名山です。
御嶽山は昨年8月に登りました。
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絶景スポットです。
美人女将さん 教えてくれてありがとう。
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双六岳を振り返る。
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屋根が見える鏡平小屋まで一気に下ります。
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鏡平小屋で食べたかき氷と鏡平池です。
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わさび平小屋で沢水で冷やしたリンゴを食べて元気になりました。
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最終ゴールの新穂高温泉ロープウェイに到着。
長かったぁ。
お疲れさまでした❗

#64 北アルプス紀行 気迫の縦走で裏銀座コース往復もなんのその

2020年8月4日火曜日
北アルプス4日目

黒部五郎小舎の朝は早い。
午前4時点灯し、4時30分に食堂で一堂に会して朝食をとる。
さすがに北アルプスの奥地だけに早朝の登山者の行動が早い。

今日の登山ルートは、三俣蓮華岳をトラバース(遠巻き)して三俣山荘を通り過ぎ鷲羽岳水晶岳裏銀座コースを往復後、三俣山荘に戻って宿泊する計画だ。
標準時間10時間の長丁場となる。

天気は晴れマーク予想で気分はルンルン♪
午前4時45分に黒部五郎小舎を出て三俣山荘を2時間かけて登る。
樹林帯の厳しい急登を1時間登ると森林限界を越え、見晴らし良い稜線に出る。
三俣蓮華岳をトラバースし、幾つかの小沢を渡渉する。
この小沢は、上からの雪渓から来る水だけにひんやり冷たい。

ほどなくして三俣蓮華岳の大雪渓に出合う。
スリップすると70m下に滑落するので慎重に横切る。雪渓の上を眺めると槍ヶ岳が見えてテンションが上がる。
この雪渓の沢沿いに下ると今晩泊まる三俣山荘に
6時15分に着く。
標準時間より30分短縮し、出だしは好調である。

三俣山荘から見上げる鷲羽岳は仰ぐように高い。
ジグザグのガレ場は傾斜が強く、息切れするが
標準時間1時間30分を1時間で標高2924mの百名山である鷲羽岳に踏破する。

快晴のおかげで、槍穂高連峰黒部五郎岳薬師岳、白馬岳から爺ヶ岳に連なる後立山連峰等360度の大パノラマを心いくまで楽しんだ。
居合わせた登山者達も笑顔がこぼれるのは当然だろう。

さて鷲羽岳山頂からこれから縦走する水晶岳が見える。順調にいけば2時間30分で辿り着くはずだ。

鷲羽岳を8時過ぎに出発しワリモ岳まで一気に下り、雲の平の分岐点であるワリモ分岐点を越えると水晶岳が身近に迫る。

空は透き通った紺碧な空だ。
黒部五郎岳薬師岳が霞が立つ風景に酔いしれる。

雲を突き抜けて昇る太陽がカンカン照り続け、汗がたらふく流れるが、この絶景を見ながら縦走できることはこの上ない幸せである。
時折、風が吹いて心地良い。爽快だ。

今日も体調がよくフットワークも軽い。
水晶岳頂上直下の最後の岩場を30分よじ登るとついに標高2986mの百名山である水晶岳(黒岳)に10時30分に登頂する。

水晶岳からの展望は鷲羽岳に劣らず見事な絶景だった。
特に槍穂高連峰の眺めは最高。

これを見たかったんや😃

つい声を出してしまい、周りの登山者から好奇な目で見られてもへっちゃらだ。
ガスコンロを取り出してお湯を沸かし、煎れたてのコーヒーを絶景を前に飲む。今日は格別に美味い。
このまま時間が止まってほしいと思った。

水晶岳頂上で1時間ゆっくり過ごした後は、逆ルートで鷲羽岳を再び登頂後、15時過ぎに水俣山荘に着く。
受付で宿泊費用を払い、部屋で1時間仮眠する。

明日は最終日でいよいよ岐阜県新穂高温泉へ下山する。
この小屋の30歳過ぎの美人女将さんに新穂高温泉ルート下山時の見所を教えてもらった。

それは双六岳登頂ルートで、山渓雑誌に度々掲載される絶景スポットがあるという。
その絶景スポットを地図に指をさして、明日は晴れだから絶対に行くよう熱心に勧められた。
次の見所として槍平小屋にかき氷🍧の販売があり、わさび平小屋ではトマト🍅、スイカ🍉の販売があるという。
一気にヨダレが出る。明日の楽しみが増えた。

さて晩飯であるが、コロナの影響で水俣山荘はガス調達が困難により、登山者に事前にガスコンロ持参の指示があった。
当然ながら晩飯の材料は三俣山荘が提供する。
それを承知で三俣山荘宿泊にしたのだが、誤った選択をしてしまった。

提供された米はアルファ米であるが、これを持参したガスコンロで沸騰させた後、この小屋のオリジナルである鹿肉丼風のパックから取り出してアルファ米に乗せて食べる。
このアルファ米が自分の体に受け入れなかった。
この小屋には申し訳なかったが、半分以上残してしまった。

晩飯を食べた気分になれなかった。
小屋スタッフの方々の申し訳無さそうな表情を見ると怒る気持ちにもなれなかった。
宿泊者も文句を言いたげそうだったが、皆堪えて食べている。皆優しいんだ。

翌日の朝食は弁当を頼んだ。
弁当といっても菓子パン2個とオレンジジュース紙パックとスナック菓子だ。

晩飯は食べられず、ライトな朝食弁当で明日の9時間にわたる激しい登山ルートに耐えられるのか、不安がよぎる。
この不安が的中し、地獄ロードになろうとは考えもしなかったのである。

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朝焼けの黒部五郎岳です。
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トゥワイライトな常念岳の稜線。
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三俣蓮華岳の大雪渓とその先に見える槍ヶ岳
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鷲羽岳への急登は傾斜が強いが登りがいがある。
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鷲羽岳山頂から槍ヶ岳 穂高連峰を眺める。
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鷲羽池と槍ヶ岳穂高連峰。絶景だ。
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鷲羽岳から三俣山荘 三俣蓮華岳 双六岳 笠ヶ岳を眺める。
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次のターゲットは水晶岳だ。
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水晶岳山頂です。
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三俣蓮華岳 双六岳 笠ヶ岳 黒部五郎岳の山風景です。
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黒部五郎岳と雲の平。昨日縦走した黒部五郎岳の稜線を眺めると感無量である。
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霞立つ薬師岳
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赤牛岳と剣岳 立山
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このアングルがいいね。絶景だ。
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水晶小屋から野口五郎岳を眺める。
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有明山 燕岳方面の表銀座
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眼下に黒部源流。
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今晩泊まる三俣山荘です。お世話になります。

#63 北アルプス紀行 燃える闘魂はガスを追い払う

2020年8月3日月曜日
北アルプス3日目

5時15分に太郎平小屋の朝食を済ませ、寝室に戻ってザックを担ごうと思った時にスナックお菓子2袋がザックの上に置いてあった。

とっさにTさんの心づくしと悟った。
すぐさま食堂に戻り、Tさんにお礼を言う。
Tさんは玄関で柔和な笑顔で見送ってくれた。

Tさんの優しい気持ちに涙する。
なんとしても黒部五郎岳を踏破すると炎が燃え上がる。

今日は標高2840mの百名山である黒部五郎岳に登る。黒部五郎岳までは5時間のコースタイムであり、黒部五郎岳から今晩宿泊の黒部五郎小舎まで2時間の合計7時間のコースタイムである。

5時20分に太郎平小屋を出発し、早朝から快晴であったが1時間経過後、ガスが出てきた。
最初のピークである北ノ俣岳は、出発時はよく見えたのだが、徐々にガスに覆われ、見え隠れする。
Tさんの天気予報通りだった。

草原をゆっくり進むと途中から北ノ俣岳への急登が
続くが、北ノ俣岳までの30分あたりから雪渓と高山植物が入り乱れたお花畑を気持ちよく歩く。
7時20分に北ノ俣岳頂上に着いたが、ガスで何も見えず。

気を取り直して赤木岳から中俣乗越までのしつこいアップダウンを1時間で乗り越える。
この稜線は、晴れていれば展望がいいのだが、あいにくガスで何も見えない。
途中で雷鳥親子に遭遇し、しばし感動する。
ここまでの登山ルートは計画通りであり、体調も足も好調だ。
あとはガスがいつ晴れるかだ。

中俣乗越からいよいよ黒部五郎岳までの胸が突かれるほどの標高差400mの急登を2時間かけて登る。
一歩づつ登るごとに傾斜がきつくなる。
まるで地を這うよう登り続ける。
山頂から下山したパーティーは全員笑顔がない。
ガスで視界ゼロだから気持ちがよくわかる。
俺もそうなるのかと心が折れそうになる。

ガスで前方3m先は真っ白で視界がない。
自分がどこにいるのか、そしてどこまで登っているのか、まるでわからない状況だ。
かろうじて見えるガレ場のペンキマークを追うように前へ進む。
標高差400mの急登を1時間30分耐え続け、頭が少し朦朧とする。
ザック14kgの重さは徐々に両肩に負担をかけ、体力を奪っていく。

自分の前は、誰もいない。
っていうかいるのか?
ガスで何も見えない世界と心の中で孤独に闘う自分が交錯する。
めげそうになる自分を叱咤激励し、ひたすら前へ進む。

1時間30分の激戦を制し、黒部五郎岳の肩に着く。
ここからは20分登れば黒部五郎岳山頂だ。
あの分厚いガスが抜け出してきた。
そしてついに黒部五郎岳をとらえる。

笑いをこらえるように一歩づつ進み、ついに登頂する。
ガスは徐々に抜けて青空が少しづつ広がりつつある。
薬師岳、三俣蓮華岳鷲羽岳水晶岳の姿が少しずつ現れてきた。
振り返ると太郎平小屋から北ノ俣岳を経て黒部五郎岳までの辿ったルートが見える。
連泊した太郎平小屋も見えるのではないか。
Tさんに登頂テレパシーを送る。
Tさん、さぞかし喜んでくださることだろう。

黒部五郎岳山頂では様々な方々と知り合う。
キリマンジャロ、マッキンレー等世界の名峰を踏破した長野県在住の65歳過ぎの男性は、語り口が落語の世界でその場の雰囲気を明るくしてくれた。
また、神奈川県在住の女性のYさんは昨年百名山を達成したという。
今晩は奇しくも同じ小屋に泊まるので百名山踏破のアドバイスをいただけるそうだ。

なんだかんだ言って山頂に居合わせた登山者と1時間雑談し、とても楽しかった。
その後は黒部五郎岳の肩付近の草むらで雲海のパノラマを楽しみ、そして1時間ほど昼寝した。

13時過ぎに目覚め、黒部五郎カールの中をダラダラ2時間歩く。
黒部五郎カールは巨岩に囲まれていて、まさに秘境の世界だった。
下山途中で時折り、小沢を渡渉しては、コップで掬って飲む。
これが冷たくて旨いのだ。
そこらのコンビニの天然水ペットボトルとはわけが違う。
黒部五郎カールの沢水ですっかり疲労回復し、15時過ぎに黒部五郎小舎に着く。

明日は鷲羽岳水晶岳への体力勝負の縦走なので早めに寝ることにしよう。

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早朝は快晴で前方の北ノ俣岳がよく見えた。
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北ノ俣岳付近の雪渓と高山植物です。
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北ノ俣岳山頂はガスでした。
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赤木岳から先は黒部五郎岳もガスで見えません。
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雷鳥に遭遇。頑張れと励まされたような。
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ついに黒部五郎岳をとらえる。
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念願の黒部五郎岳山頂です。
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中俣乗越から標高差400mの2時間の急登ルートを振り返る。
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薬師岳、太郎平、北ノ俣岳の稜線です。
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稜線上に連泊した太郎平小屋が見えます。
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薬師岳は王者の風格があります。
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三俣蓮華岳の稜線です。赤い屋根は、今晩泊まる黒部五郎小舎です。
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水晶岳から赤牛岳の稜線です。赤い屋根の小屋は雲の平です。
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水晶岳と雲の平です。
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山風景に感動する。
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黒部五郎カールを下山します。
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黒部五郎カールの巨岩に圧倒され、まさに秘境でした。
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黒部五郎小舎はメルヘンの世界に立っていました。
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晩飯は豚カツでした。蕎麦もついて旨かった。