2020年10月25日日曜日
前日は午前11時過ぎに自宅を出発し、長野県飯田市にある下栗の里に立ち寄る。
そこは天空に聳える里山風景であり、堪能した。
下栗の里から岐阜県の中津川市経由恵那山登山口である神坂峠(みさか)まで2時間要した。
19時過ぎを回り、神坂峠を登っていくにもガスがひどく3m前方視界ゼロ故に10km前後減速で前を進む。
途中で鹿に遭遇し、思わずぶつかりそうになった。
やれやれ神坂峠駐車場に20時過ぎに着き、既に満車状態だ。
コンビニで買った幕の内弁当とビールで腹を満たす。
今日は363km走っただけに疲労が溜まっているのでそのままシュラフに潜りこんだ。
午前5時過ぎに起床。
ルームミラー越しにオレンジ色の朝焼けが見えた。
ドアから降りると外気が冷たいが気持ちいい。
風の動き、空模様から今日は晴れであることを確信した。
今日は岐阜県にある標高2191mの百名山である恵那山(えなさん)に登る。
歩行時間7時間20分、距離数12.7kmであるが、南アルプスの展望が望める稜線がいいとの情報があったので楽しみだ。
6時過ぎに恵那山登山口道標を後に登山開始。
出だしは、さほど急坂でもないが丘を登る感じだ。
笹道に出ると眼下に雲が垂れ込む中津川市街が見えた。
東方は朝日が昇り、オレンジ色が眩しい。
さらに笹道を登ると富士見台山頂に着く。
ここからは南アルプスをはじめ、朝日を浴びる恵那山が素晴らしく絶好のロケーションだった。
風が少々強いが、この素晴らしい展望なら我慢できるぞと自分を鼓舞する。
気持ちのいい笹道をアップダウンすると、ほどなく鳥越峠に着く。
鳥越峠の紅葉は真っ盛りで見ごたえがあり、シャッターを何度も切った。
快晴なので青空に映える紅葉が綺麗だ。
やはり紅葉は青空に似合う。
鳥越峠から本格的な山道となり、高低差が大きいルートに耐えてひたすら登り続け、大判山、天狗ナギを越えたあたりで樹氷の世界に入っていく。
この樹氷の道は幻想的だった。
原生林の枝葉に樹氷が覆い、霜柱で白く敷き詰められた道を登る世界はなんとも形容し難い。
急坂の白い道を1時間登りきると青空を突き抜ける樹氷の林立に絶句する。
樹氷の林立に存分に堪能しつつ、30分ほど登ると待望の恵那山頂に9時30分過ぎに着いた。
山頂からシラビソに遮られて展望はないことは既に知っていたので特に悲嘆はなかった。
さすがに百名山だけに登山者は多い。
快晴と紅葉と樹氷に登山者の表情はすっかり満足な様子だ。
とどめは山頂避難小屋の小高い岩から望むパノラマ風景だろう。
富士山、南アルプス主峰の北岳、間ノ岳、農鳥岳、甲斐駒ヶ岳、中央アルプスも見えて最高だった。
恵那山は紅葉、樹氷、大パノラマを堪能し、満足した山旅だった。
往路を下山し13時過ぎに神坂峠に着く。
時間が余ったので、いつもように観光しようと地図を広げると苗木城跡に目がとまる。
神坂峠から1時間で中津川市内にある現地に着く。
現地パンフレットによると、戦乱の時代から江戸時代まで続いた苗木遠山家の城跡とある。
頂上にある天守は、岩山という制約された土地の上に建てられたと記されており、天然の巨岩と石垣を巧みに使った城郭は全国でも大変に珍しいとある。
なるほど、巨岩の上に天守閣を建てた当時のエネルギッシュな技術と英知の結集に思いを馳せた。
自分は天守閣の名残のある展望台に立った。
つい先ほど登山した恵那山、中津川市街を望む光景にしばし心を癒した。
そして当時の城主が戦乱の中で城を死守する思いを重ね、世の栄枯盛衰をしばし考えた。
百名山79座 残り21座
本日の走行距離数 363km 往復726km
早朝の中津川市街です。
富士見台から朝日を浴びる恵那山です。
紅葉真っ盛りです。
綺麗な樹氷の世界でした。
恵那山頂上。
富士山、南アルプス農鳥岳が見えます。
富士山の次に高い南アルプスの北岳が見えます。
富士見台から南アルプスを一望。
苗木城跡天守展望台から中津川、恵那山を一望。
10月24日
長野県飯田市にある下栗の里です。
標高1000mの山腹を大きく切り開いた、人口100人に満たない小さな山里でした。
日本のふるさと100選にエントリーされています。