#77 新北海道紀行 子熊の遭遇に大興奮

2020年9月10日木曜日
6日目

道の駅 らうす・シリエトクにて、いつものように午前6時過ぎに起床。
車窓から空を見上げると太陽が見えて心が踊る。

スマホで知床の気象庁予報を確認すると、午前中までは☁️で午後は☔だった。
この日は北海道全土が☁️☔で☀️がなかった。
なにやら羊蹄山おろか、十勝岳登山も危うい状況。

まぁなんとかなるやろうと、コンビニで買ったスパゲッティとおにぎりを軽く食べて午前7過ぎに出発する。

今日は午前中が勝負だ。
午後は間違いなく、どしゃ降りになるのでこの時間帯は移動時間に充てようと考えた。
既に今日のドライブコースは頭の中に出来上がっている。

道の駅うとろ・シリエトクからオホーツク海に沿って20分ほど走ると砂利道に出る。
この砂利道はなかなかの悪道路だ。
パンクを避けるため20km前後減速して原生林の間を潜り抜けて10分後にカムイワッカ湯の滝に着く。

この滝は知床連山の硫黄山中腹から涌き出た温泉が川に流れ込み、湯温は約30度の温かさだ。
ちょっとした沢登り感覚で滝を登るとサンダルで履いた素足が少し温い感覚がして気持ちいい。
この滝は滑落リスクを避けるため、途中で通行止めになっている。
もう少し登ってみたい気持ちが強かったが、ルールを守ることにしてここで引き上げた。

次に知床五湖に向かう。
文字通り湖が五つあり一湖、二湖、三湖、四湖、五湖の名称がある。
これらを全て散策するのに1時間30分要するが、自分は何度も散策しており、今回は時間がないので一湖、二湖だけ散策した。

湖に映る知床連山に見とれてしまった。
2015年7月に知床連山の最高峰である羅臼岳を登頂しているだけに感慨深いものがある。
天候は☁️でなんとか湖面に映る知床連山を見ることができて良かった。

ここで、しほろ温泉でお会いしたNさんの顔を思い出した。

そうだ!ヒグマの子供をナマで見よう❗

Nさんが教えてくれた、ヒグマに遭遇できる場所を記憶から辿ってみる。
道の駅から15分前後車を走らせると川にさしかかり、ヒグマウォッチの車が数台駐車している場所だと。。。

うん?あれだ!

橋の上で3人の男性がなにやら会話をしていた。
耳をそば立てて聞くと、70歳前後の男性は数日の間、ここで待機しているようでまだ遭遇していないと嘆いている様子。
もう一人の40歳過ぎの男性は、昨日にヒグマに遭遇したといい、ヒグマが姿を現した場所を指をさして興奮気味に話をしていた。
30歳過ぎの男性はそれを訊いてなにやら羨ましげな様子。

まるでヒグマウォッチサークルの会話だ。
Nさんもこの会話に加わっていたのかな。。

自分も待機したが30分で痺れを切らしてその場を去った。
そう簡単にヒグマに出会うことはない。
人間が集まればヒグマも警戒して姿を見せないのだ。

車に戻り、しばらく走ったら大きく切り開かれたオホーツク海と断崖の光景に目が止まったので車を停めて写真を納めようと外に出る。

そこで女性と男性が大きな望遠レンズのカメラを構えてなにやら忙しい様子。

どうしましたかと声をかけると、男性はヒグマがいるよという。
えっ!どこですか?と訊くと女性が右手を伸ばして
ほらっ動いているでしょっ!という。

目を皿にして海から川を追って凝視すると、なにやら黒い玉のようなものが動いていることに気付く。
少し精度が落ちる望遠レンズで見事に鮭を食わえたヒグマをキャッチした。
その画像を見た自分は、我を忘れて声をあげる。
そして感動とともに興奮した。

この男性と女性は、ヒグマウォッチツァー団体の一員のようで毎年ヒグマを見に来ているとのこと。
女性のいかにも高価そうな望遠レンズのカメラの画像を見せてもらい、迫力満点のヒグマが見事に捉えていた。
プロ級の腕前だ。

このお二方からヒグマの習性、出没の場所、縄張り等を話をしてくれてとても興味深かった。
ヒグマを見たい、会いたい、写真を撮りたいという気持ちは趣味的なレベルを超えており、その執念がモチベーションとなるのであろう。
あのNさんもそのような方だと察した。
温厚なNさんの別の一面を垣間見る思いだ。

拙い写真ではあるが、Nさんに写真を見せたいと思った。きっと喜んでくれるだろう。
Nさんとは、この先どこかで再会できると信じている。

さて、ヒグマの写真を撮った自分は気分が良くなる。
知床峠を越えて羅臼町を走り、太平洋が見える相泊温泉で30分ほど露天風呂に浸かる。

前方にわずかに52km離れた国後島が見えた。
一昨日の納沙布岬でも呟いたが、同じことを言おう。

あれは間違いなく日本の領土だ。

時刻は13時30分過ぎ。
ここまでなんとか天気は持っててくれて良かった。
いよいよ気になる雨雲が広がり始めた。
ここから350km前後の距離を5時間30分かけて、どしゃ降りの中をひたすら北上するのだ。

羅臼町から網走を通過しサロマ湖辺りで予想通り、どしゃ降りで右手に見えるオホーツク海が真っ白状態。
けたたましい豪雨の下、紋別、興部(おこっぺ)、雄武(おうむ)を通過し、今日の車中泊である美深町に着いたのは午後19時30分だった。

午後の長距離ドライブで疲労困憊だ。
美深温泉に浸かって早めに寝ることにしよう。

本日の走行距離 448km

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道の駅 うとろ・シリエトクを7時過ぎに出発。f:id:kunpu3684:20201003212221j:plain
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プユニ岬から見たウトロのオホーツク海
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カムイワッカの湯はこんな感じです。
この滝をよじ登っていきます。
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知床五湖のうち、二湖の水面に映る知床連山。
右端が知床連山最高峰の羅臼岳です。
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ここ辺りがヒグマウォッチもヒグマは現れず。
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遂にキャッチ!
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知床峠羅臼岳
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相泊温泉の露天風呂は最高!
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相泊温泉から国後島を望む。
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このネーミングいいね。
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11年ぶりの網走駅です。
ちなみに立て看板の網走駅の文字は、監獄所を出所した囚人が横道に逸れることなく、真っ直ぐ生きぬいてほしいとの願いを込めて珍しい立て看板の駅名だそうです。


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