#97 晩秋の丹沢山脈縦走へ一直線だぜ 2

2020年11月15日日曜日
丹沢山主脈縦走2日目

みやま山荘で5時過ぎに起床。
昨晩に隣に寝ている26歳の若者から転職、人生の相談を受け、激励の言葉をかけた。
それで安心しているせいか、よく寝ている。
いい寝顔だ。
幸せになってほしいと願う。
こっちも思いのほか、よく寝れた。

窓から秦野市街がキラキラ輝く朝焼けが見えた。
居合わせた登山者が喜喜としてシャッターを切る。
午前5時30分に朝食を取る。
昨日と同じ10人づつ30分に分けて食事する。
コロナ感染拡大防止を徹底しており、安心してご飯を食べれた。
混ぜご飯が美味しく2杯食べ、これからの厳しい縦走に備え、エネルギー補給する。

午前5時50分にお世話になった、みやま山荘の女将さんにお礼をいって山荘を後にする。
登山道もいくらか明るくなり、ヘッドランプは不要ですみそうだ。

最初の目的地は標高1673mの蛭ヶ岳(ひるがだけ)。
標高差があるアップダウンを登り続けて、不動の峰を越えると、前方に赤富士山が待っていた。
朝靄に立つ赤富士を初め、南アルプス八ヶ岳の早朝の山景色に酔いしれ、しばし呆然とする。

このしびれる山風景に出合い、あらためて日本に生まれてよかったと心底思った。
頭を垂れて合掌する。

赤富士を横目に鬼ヶ岩あたりで急降下の鎖を難なくしのいで最後の急登を登りきると、丹沢山脈最高峰の蛭ヶ岳に7時20分に着いた。
山岳雑誌でよく見かける、ユニークな蛭ヶ岳山頂道標に、ようやく会えたねと撫でる。

昨日から登ってきた塔ノ岳、丹沢山の縦走コースが朝日を浴びてきれいだ。
すすきがある展望ベンチに行くと、塔ノ岳、丹沢山縦走コースに雲が流れはじめ、水墨画のようにきれいだ。
蛭ヶ岳山頂から見る富士山もいい。
これから縦走する標高1601m檜洞丸は距離感としてとても長い。
檜洞丸の後方に構える富士山を見てエネルギーが湧きだし、闘志を燃やす。

蛭ヶ岳山頂で機械の唸り音が聞こえる。
上空を見るとドローンが飛んでいた。
操っていたのはインドネシアから来日した2人の若者だった。
どうやって飛ばしてどのように画像が見れるのか教えてほしいとお願いしたところ、嫌な顔をせずに笑顔で教えてくれた。

ドローンの費用は7万したらしく、日本で懸命に働き、貯めて買ったようだ。
訊くと車関連の製造工場に研修生として来日したようで日本語も堪能だ。
彼らは富士山を初め、日本の山に魅了されてはまっているようだ。
彼らと20分ほど日本とインドネシアの不思議な魅力について雑談した。
別れ際に富士山をバックに、彼らが持参したインドネシア国旗を持って記念撮影する。
彼らの日本での益々の活躍を願い、7時50分過ぎに蛭ヶ岳山頂を後にする。

蛭ヶ岳から檜洞丸の縦走は、アップダウンの標高差が今回の縦走の中でも最も激しく、鎖やロープが多い難コースだ。
午前9時過ぎに冷たい風が吹きはじめ、にわか雲が多くなった。
臼ヶ岳を越えて神ノ川乗越、金山谷乗越の厳しいアップダウンに耐えて最後の急登を50分かけて登りきると、ようやく10時30分に檜洞丸に登頂した。
標準コースタイム3時間20分を2時間40分で踏破。
午前9時過ぎを境に快晴から曇天に様変わりして富士山が見えなくなった。
まぁこれまで至れり尽くせりで富士山を堪能してきたのでこれで大満足だ。

檜洞丸山頂で軽くパンを食べて11時に出発。
下を降りるごとに紅葉が随所に現れる。
ゴーラ沢出合は、紅葉が真っ盛りで見頃だった。
ゴーラ沢の色が透き通ってきれいだ。
ザックからコップを取り出し、掬う。
ひんやりして冷たい。
周囲は紅葉に取り囲まれて静寂な空気だけが流れていた。

檜洞丸山頂から2時間で最終ゴールの西丹沢ビジターセンタのバス停に13時過ぎに着く。
新松田駅行きのバスは14時40分だ。
バス停で居合わせた65歳過ぎの登山者と丹沢山の魅力など情報をもらい、楽しい山談義をして時間を過ごした。

この方はヤビツ峠から登り、塔ノ岳尊仏山荘と檜洞丸青ヶ岳山荘に泊まり、2泊3日で丹沢山脈縦走したようで、毎年丹沢山脈を登っているという。
丹沢の深い自然に魅了され、新緑の丹沢も素晴らしいようである。
また、シロヤシロが彩る檜洞丸周辺の見所、時期等を教えてもらい、有益な情報をいただいた。

ほどなくバスがやってきた。
今回も天気に恵まれ、素敵な山風景、いい人の出合いがあり、最高の山旅だった。
これだから山旅はやめられないなぁ。

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みやま山荘の2階の窓から見た朝焼け。
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みやま山荘の朝食です。ごちそうさまでした。
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蛭ヶ岳まで1時間30分の縦走は楽しい。
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青空と朝日を受ける笹のコントラストがいい。
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今日一番のビューポイントです。
赤富士最高です。
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蛭ヶ岳山頂から見た富士山、南アルプスと檜洞丸。
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すすきの穂先に、塔ノ岳、丹沢山に雲がかかりはじめましたが、とてもいい光景でした。
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ドローン見せてくれてありがとう。
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檜洞丸まで3時間弱の縦走です。
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蛭ヶ岳が遠くなりました。
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木々の間を登っていきます。
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檜洞丸登頂です。
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ゴーラ沢の紅葉は見頃でした。
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ようやく登山口まで下山。
熊に合わなくて良かった。