#150 ④九州ドライブと山旅

2021年8月3日火曜日

 

午前5時30分に起床。

ここは指宿市内の鹿児島湾に面した道の駅「喜入」。

 

開聞山麓自然公園で寝付かれなかったことを反省し、

愛車のスライド式ドアを4分1程度開けたので潮風が車内に流れ込んだ。

冷風が車内の暑さを緩和させて心地よく、ぐっすりと寝れた。

前日の睡眠時間ゼロ反動で今回は気持ち良く爆睡できた。

おかげで頭の中がスッキリして冴えている。

 

近くのローソンで朝飯用のおにぎりと目覚め用のコーヒーを買い、午前5時45分過ぎに出発する。

 

後ろめたいが、さて東京に帰ろう。

 

鹿児島湾に沿って国道226号を走る。

鹿児島市街に入ると霧島山40kmの標識に目が止まり、心が揺れる。

霧島山を行きそこなったら、後々面倒になる。

屋久島からも大分からも遠距離ドライブとなり、取りこぼす可能性が大きい。

 

では肝心の体調はどうなのか。

昨日より些か良くなっているが、山登りできるかどうかは別問題である。

実際に山登りできるかは、現地に足を踏み出さないとわからない。

 

ここまで来たらぶっつけ本番だ。

とにかくマイペースで登るか。

たとえ標準タイムより2倍かかったとしても別に何も失うものはない。(そんなことはないと思うが)

ダメだったら無理せずに引き返せばいいだろう。

 

心境が変化した自分は、とっさにハンドルを大きく左に切った。

 

鹿児島インターから指宿スカラインに入り、鹿児島空港を抜けて横川インターに下り霧島温泉郷を抜ける。

午前7時過ぎに霧島山の登山口である、えびのエコーミュージアムに着いた。

 

今日は百名山である標高1700mの霧島山の主峰である韓国岳(からくにだけ)に登る。

 

ここで簡単に霧島山を紹介する。

霧島山は、宮崎と鹿児島の県境に位置し、火山群の総称といわれている。

資料によると20あまりの火山があり、また、火口湖も多く火山の博物館と記されている。

そのため噴火活動を続ける新燃岳への縦走は登山禁止としている。

 

午前7時35分登山口を出発。

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天気はご覧の通り快晴です。

いよいよ韓国岳に登ります。

韓国岳はこの山の奥にあるので見えません。

 

今日も快晴だが、熱中症が心配だ。

1合目から森林の中を登る。

肝心の一歩を踏み出し、体調を確認する。

 

うーん🧐

開聞岳登山のような体の重さ、脱力感等は無さそうだ。

おそるおそる一歩づつ登り続ける。

感覚的ではあるが、いつものフットワーク感が戻りつつある。

 

ここは決して飛ばさないことだ。

病み上がりの体だけにスタミナ切れを恐れていた。

まずはゆっくりマイペースで森林の中の急斜面を登ることだ。

 

4合目までは森林のおかげで強い日差しを避けることができ、体の負担を軽減できた。

4合目を過ぎると視界が開くようになり、火山活動中の硫黄岳が見えてきた。

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火山活動中の硫黄岳

 

有毒ガス噴出を目の当たりにすると立ちすくむ。

5合目から円錐の形をした韓国岳山頂が徐々に近づいてきた。

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山頂までもう少し。頑張っ!

 

体調は良さそうだ。

フットワークも少しづつ軽快になりつつある。

苦戦することなく山頂まで登れそうだ。

 

イケル❗️

 

気持ちの分だけギアを上げる。

8合目あたりでコバルトブルーの大浪池が見えてハイテンション❗️

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大浪池は周囲1.9km 水深11.6mの火口湖です。

 

溶岩の固まりを踏み外しないよう、確実に登りきると待望の韓国岳山頂に9時到着。

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噴煙上がる新燃岳と後は高千穂峰
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鹿児島方面への霧島山連峰。
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熊本方面への眺望。
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コバルトブルーの大浪池は癒されるなぁ。

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復調に喜ぶ自分です。
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切れ落ちが大きい稜線。
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韓国岳山頂は溶岩の固まりでした。

 

山頂からは噴火する新燃岳、外輪山等霧島山連峰をはじめ、360度の大パノラマを眺望することができた。

なんとか登山できる体力が戻って安堵する。

 

だが油断は禁物だ。

いつ変調するかわからない自分の体を過信しないことだ。

常にケアすることを意識した。

 

なぜ開聞岳登山時に体調不良が起きたのか、原因が少しずつわかってきた。

その原因がわかれば、対策を講じれば良い。

対策のイメージはできていた。

 

屋久島を断念して九州5座制覇に切り替えたのだ。

ここで帰京するわけにはいかないぞ。

あと残り阿蘇山久住山、祖母山の3座だ。

やってやろうじゃないか。

 

イケル❗️

 

体力回復した自分は、少しずつ自信を取り戻した。

えびのエコーミュージアム登山口に10時35分下山。

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えびのエコーミュージアム駐車場です。

 

次の目的地は熊本の阿蘇山だ。

 

ここから4時間超えの長距離ドライブだ。

えびの市から国道221号を走り熊本の人吉市を抜けて445号に入って益城町阿蘇くまもと空港を経て325号を走り南阿蘇村に入る。

阿蘇パノラマラインを走ると、開放感たっぷりの牧場と、なだらかな緑の草原一帯が広がっていた。

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阿蘇山です。
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まるで緑の絨毯です。

 

途中の草千里ヶ浜はどうしても行きたかったところだ。

青空に映える草原と湖が見事なコントラストだった。

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牧歌的な風景だぁ。

 

そして何百台もの駐車可能な草千里ヶ浜大駐車場へ立ち寄る。

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ここは10年に1回、全国のライダーが集う場所で有名である。

1979年から始まり、前回は2019年8月23日に全国のライダー達が当駐車場に集合する光景をNHKで放映された。

ライダー達が抱える様々な目標、葛藤、壁等を乗り越え、当駐車場が満車状態になって一堂に会する。

10年ぶりの再会に喜ぶ者、壁を乗り越えて達成できた者、そんな彼等の表情に胸を打った。

 

それが今、立っているこの場所なんだと思うと感慨深い。

次は2029年の夏だな。

あと8年か。

長いような短いような。

次回は自分も参加しよう。

 

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明日登る阿蘇山への登山ルートです。
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ラピュタの道は、熊本大地震で車道が崩落し、道路工事中で通行止めでした(泣)

 

草千里ヶ浜を満喫した自分は、阿蘇駅に立っていた。

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阿蘇駅前のロータリーと駅構内。

駅界隈はコンビニ、ガソリンスタンド、ファミリーレストラン等インフラが充実していた。

 

すっかり様変わりし立派な駅になっていた。

38年前は記憶が少し薄れがちだが、古びた木造駅舎だったと記憶している。

 

あの時はたしか、阿蘇ユースホステルで宿泊し、宿泊者は自分と北海道から来た、同い年の学生さんと2人だけだった。

その学生さんは、北海道大学の学生さんで都銀に就職が決まり、最後の冬休みを利用して九州旅行を一度だけしたかった旨をいっていたことを朧げながら覚えている。

オーナーも優しい方でウイスキー🥃を頂き、夜遅くまで飲みあかし、語り合ったことを懐かしく感じる。

 

その翌日は阿蘇ユースホステルから周遊し、とあるバス停で阿蘇駅まで帰る時間が1時間以上待つことになってしまった。

吹き荒ぶ寒風の中、一人佇む姿を見かねて手招きする、その方の家に上がってご馳走になった。

たしかその方のご自宅は、当バス停に近い商店だったような。

 

ご夫妻に囲まれて炬燵に入り、熱々の豚汁を食べたあの味は今でも忘れない。

 

あの商店はどうなっているのだろうか。

お世話になったご夫妻は今も健在だろうか。

 

手がかりがないまま、記憶だけが遠く通り過ぎ去る。。

 

そんなこともあり、今日の車中泊阿蘇駅前にある道の駅「阿蘇」に決めた。

 

百名山90座 残り10座

歩行距離数5km 歩行時間3時間

本日の走行距離238km 走行時間4時間

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