#144 中央アルプス初挑戦

2021年7月16日

 

鬱陶しい梅雨空も今日から梅雨明けだ。

昨年は8月1日梅雨明けだったので今年はお日さまに多く出会えることだろう。

 

ここは長野県駒ヶ根市の菅の台バスセンター。

300台収容できる大駐車場も既に満車状態。

7時のロープウェイに乗るのに早くも長蛇の列だ。

梅雨明け直後の初日だけに好天の期待が高まり、並ぶ登山者も笑顔が満ち溢れていた。

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ロープウェイチケットをゲットしてからバスを30分ほど乗り、ロープウェイに乗り継ぐ。

ロープウェイは約7分の滞空時間。f:id:kunpu3684:20210720092736j:image

窓から南アルプスを一望でき、テンション上がりまっせ!

ロープウェイの頂上駅名である千畳敷駅を降り立つと目の前にドカンと鋭い岩峰の宝剣岳が飛び込んできた。

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標高2931mの宝剣岳は、百名山ではないが、中央アルプスの中でも人気のある山だ。

鎖、チェーンが随所にある岩の殿堂でもある。

いずれ登頂するから待ってろよと呟く。

剣岳を左目に高度を稼ぐ急斜面を登る。

シナノキンバイコバイケイソウ高山植物が咲乱れる、お花畑からは心地よい風も手伝い、高山植物の香りが漂う。

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どんどん高度が上がり、後を振り返ると北岳塩見岳南アルプス主峰が見えてハイテンション。

程なく乗越浄土という極楽を思わせるネーミングだが、そこは広大な平坦地だった。

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乗越浄土から気持ちの良い稜線を歩くと中岳が見えてきた。
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剣岳も間近に迫り、迫力がある。
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まずは中岳に登ります。

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御嶽山が姿を現す。

2014年大噴火したことは記憶に新しい。

2017年に登頂した山だけに愛着のある山だ。
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中岳山頂は岩がゴロゴロ。
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木曽駒ヶ岳に向かう途中に雷鳥親子に遭遇しラッキーでした。

雷鳥に遭遇すると幸運に転ずるとの伝えがあり、信じたい。

どんどん前を進むと百名山である標高2956m木曽駒ヶ岳に登頂。

これで87座踏破したことになる。

青空と空気がきれいでお山も絶景でいうことありません。

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明日の縦走ルートが見える空木(うつき)岳。

はるか遠くにあるなぁ。

つい、ため息まじり。
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コロナ禍で木曽駒ヶ岳上小屋は休業中で残念。

来年は再開できますように。

10時過ぎでまだ時間があるので千畳敷カールを散策することにした。

 

資料によると、千畳敷カールは約2万年前の氷河時代の末期、氷河が山腹を削り取って出現。

周囲の山肌から流入した地下水がカール内の大地を潤し、高山植物宝庫の場所と記されていた。

 

濃ヶ池というところが氷河の作用よって出現した氷河湖らしい。

コースタイムは3時間なのでちょうど良い時間帯だ。

 

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馬の背コースを1時間ほど下りるように歩くが、にわかに雲が多くなってきた。

だが、山景色は相変わらず良い。


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千畳敷カールは迫力があります。
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緑と青空と白い雲。

稜線がより引き立っています。

夏空だなぁ。
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氷河湖といわれる濃ヶ池。

自分が描いたイメージがちょっと違うような。

まぁ、こんなものなのかな。
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随所に雪渓から流れる沢水は清涼感があり、気持ちいい。
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何度もコップで沢水を飲み、熱中症対策を講じました。

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雪渓ルートは慎重に渡らないと100m滑落して大事故になるので、ドキドキしながらスリリングに渡ります。f:id:kunpu3684:20210720102401j:image

予定通り3時間の千畳敷カールを登り下りしたら今日の締めである宝剣岳にアタックします。

こんな感じで鎖、チェーンを使って岩登りします。f:id:kunpu3684:20210720102407j:image

20分ほど岩登りしたら標高2931m宝剣岳に登頂。

山頂スペースは1畳ほどで狭い。
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剣岳山頂から南アルプス、ロープウェイ千畳敷駅、お花畑を眺望。
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この日は宝剣山荘で泊まることにした。

テーブルにアクリル仕切り板が施されており、コロナ対策を実施していた。
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今晩のメニューは味噌カツで味はまぁまぁだ。

どんぶり2杯食べて身体の調子はいいようだ。

 

部屋はこまくさ10号室に割り当てられた。

なにやら3人寝る部屋らしい。

 

横浜在住の26歳の男性Mさんは公務員で、見るからにインテリっぽいが、話すと味があって面白い。

 

横浜から電車、バスに乗り継ぎ辿り着いたとのこと。

既に百名山66座踏破中で20歳代の内に達成したいと強い意志が垣間見られる。

時折、生物研究の本を読んでいる。

どうやら生物関係の仕事をしているみたい。

勤務する市役所はいろいろな縦社会があるようで裏話を聞いて面白かった。

 

明日は明け方4時過ぎに小屋を出て百名山空木岳を縦走、14時間を歩き続け、JR駒ヶ根駅に18時に着けば、その日に横浜に帰れるらしい。

なかなかのロングコースだが、健闘を祈る。

 

もう一人の方は年齢は20歳代で、見るからに田中陽希丸出しの頭がツルツルで黒のシャツ、半ズボンを着ている。

名前はTさんというが、なかなかのファイターで登山地図に記されている登山ルート標準時間を半分短縮して登るらしい。

理由を聞いてみると、登山競走ような大会に毎回出てるらしい。

本来は奥多摩で大会があったようだが、コロナ禍で中止になり、予定を変更したとのこと。

この方も空木岳を縦走して7時間で駆け上がるそうだ。

荷物も軽くしており、グラム単位で絞って軽量を心がけているようだ。

なかなか元気が良く明るい青年だ。

 

暇つぶしに自ら持参した40年以上前の中央アルプス登山地図を広げてみた。

すると2人の青年は額を寄せて興味津々に当地図を眺めては現行登山地図と比較する。

当時あった水場、登山ルートが現地図では消えていた。

その相違点を目を皿にして古地図を眺める光景は、まことに微笑ましかった。

また持参した40年以上前の登山地図は定価500円と記されているが、今は1000円になっている販売価格にとっては、とても貴重らしいようで深々と眺めて続けていた。

 

古地図のおかげで3人の心の距離が縮まり、和気あいあいムードとなった。

奇しくも3人とも空木岳から菅の平バスセンターまで同じ登山ルートだった。

水場情報、眺望スポット等お互いに情報交換して確認しあった。

 

Mさんは予定通り4時過ぎに小屋を出て空木岳を縦走して駒ヶ根駅18時着で行動。

Tさんはきちんと朝5時の小屋朝食を取ってから余裕の登りで同一ルート標準時間14時間を半分短縮の7時間で下山行動。

自分は同一ルートではあるが、体調さえ良ければ空木岳を経てあわよくば、菅の平バスセンター18時着を目指す。

そのため、朝食は小屋に弁当を頼み、2時30分小屋出発を計画。

 

お互い無事に下山できることを誓いあい、どこかでまた再会しましょうと20時消灯し深い眠りに入った。

 

ところが、快適なはずの登山ルートは全く予想だにしない異変が起きてしまったのである。

 

百名山87座踏破 残り13座

本日の歩行距離6.6km  歩行時間 6時間

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