2021年1月10日日曜日
朝5時過ぎに圏央道に入り、大月、河口湖、須走を抜け出して静岡県裾野市にある十里木高原に着いたのは7時過ぎだった。
2021年の初登山は、奇しくも二百名山である標高1502mの愛鷹(あしたか)連峰の主峰である越前岳である。
理由は初夢として縁起がよいとされている「一富士、ニ鷹、三むすび」の高い物に由来し、鷹は愛鷹山を指すと以前に静岡県在住の方から聞いたことがあるからだ。
愛鷹山は、富士市、沼津市、裾野市を跨ぐ裾野が広い山でもある。
十里木高原駐車場から7時15分過ぎに出発。
氷点下7度は流石に寒く、凍りつくような寒さだ。
手袋をはめて目の前に見える電波塔を目指して急斜面の階段を登る。
ほどなく十里木高原展望台に着くと富士山がドカンと大きく構えていた。
まだ雪が少ないけど貫禄があり、雄大だ。
二つ目の電波塔を超えると、眺望が素晴らしい馬の背見晴台に着く。
白銀輝く南アルプスが青空に映えてきれいだ。
草原から樹林帯に変わり、厳しい急登が続く。
岩場、段差の大きい木の根を登りきり、勢子辻(せっこつじ)に着くと西側に駿河湾が見えてテンションが上がる。
ここまで来れば残り10分で登ると、9時に越前岳山頂に登頂する。
標準タイム2時間30分を1時間45分で踏破する。
山頂からは、伊豆半島、戸田湾、駿河湾、三保の松原、富士山、南アルプス、金時山、箱根山等がキラッキラに輝やいて眺めることができた。
越前岳の由来は、越前(今の福井県)の山々まで見えるほど高い山ということらしいが、なんとなくわかるような気がした。
山頂にひとりの70歳過ぎの男性に記念撮影をお願いしたら気持ちよく応じてくれた。
この男性は静岡県の地元の方で、毎月2回は越前岳に登っているようで見事な健康増進だ。
今年の富士山の雪が少ない理由を訊いたところ、ここの南側に面する富士山は、粉雪が降っても風で飛ばされて積もらないのだという。
1月末から2月に積もるだろうということだった。
ほどなく呼子岳から縦走してきた、50歳過ぎの男性が息を切らしてやって来た。
この男性は、遠くに見える南アルプスに目を細めて、光岳、聖岳、荒川岳、赤石岳、悪沢岳、北岳等を言い当てていた。
この中で聖岳だけは登っていないといい、百名山は74座踏破とのこと。
この男性が凄いのは百名山を全て日帰り踏破に、ぶったまげた。
例えば北アルプスの最奥部の鷲羽岳、水晶岳は、新穂高温泉から深夜出発し、日帰りで踏破して夜遅く新穂高温泉に戻るという強者だ。
一般の方が登ると2泊3日の登山ルートなのでどれだけ凄いか、おわかりいただけるだろう。
この男性は関西の方で転勤で神奈川に在住し、毎週必ず登山して仕事のストレスを発散しているという。
この方は、当初は百名山だけしか登らなかったようで百名山以外の山の魅力を知り、今や毎週登っている。
高速道路を使わないで国道を走り、少しでも浮かして登山費用に充てるところが妙に親近感がある。
時間が経過するにつれて山頂に徐々に登山者が増えてきた。
静岡県在住の60歳過ぎのご夫妻に記念撮影を依頼されたので今度は自分が応じる。
このご夫妻は、南アルプス、八ヶ岳のアクセスの良さと富士山を鎮座する静岡県を誇らしくしていた。
ご夫妻から静岡県と山梨県から眺める富士山はどちらが好きかと問われた。
先の神奈川県在住の男性は、笑いながらそんなことどうだっていいでしょう。ただ、静岡県から見える大釜がある宝永山のある富士山は少しイマイチみたいなことを言ってご夫妻の顔を曇らせた。
すかさず自分から、三保の松原から見える富士山は素晴らしいと言うとご夫妻の顔が和んだ。
富士山をめぐる静岡と山梨の論争はテレビで見たことがあるが、ライバル心がここで展開されるとは予想外だったが、妙な後味悪さはなかった。
自分の郷土を誇らしく思うことは立派だ。
今日は初登山に相応しい好天と人の触れ合いがあり、存分に楽しむことができた。
11時30分過ぎに時間が余ったのでいつもように観光ドライブする。
山中湖は水鳥と富士山のコラボ写真が撮れて満足。
忍野村にある忍野八海は、富士山が育んだ水が澄んでいて水深8mある。
杓子山から石割山にかけての山麓からの伏流水を水源とする8ヶ所の湧泉群を堪能する。
猿橋は山梨県大月市にある日本三大奇橋(岩国の錦帯橋、木曽のかけ橋)のひとつだ。
橋脚を伴わない特殊な構造で4層のはね木に支えられ、31mの高さは見応えがあった。
本日の歩行距離 5km 歩行時間 4時間
走行距離数 240km
早朝は三日月と夜明けが美しい。
氷点下7度からの登りは流石に寒い。
勢子辻から駿河湾にテンション上がる。
駿河湾。
戸田湾、伊豆半島。
三保の松原方面。
手前は天子ヶ岳、長者ヶ岳。
圧倒的に高い富士山に引き寄せられる。
山中湖に戯れる水鳥と富士山。
外国人がいなくて静かでした。
三大奇橋の猿橋は国の名勝に指定。
桂川の水面は緑色で透き通っていました。