コロナによる外出自粛でどこにも行けず、過去の回想をブログに残す。
2013年7月31日水曜日
前日は松本市街、松本城、安曇野の大王わさび農園巡りの後、JR大糸線穂高駅前にあるビジネスホテルに宿泊。なんとか早朝に起きて始発バスに乗り込み、中房川に沿って1時間ほどで登山口中房温泉に7時過ぎに着いた。
今日は20数年ぶりの山登りであり、しかも北アルプスである。
思えば、結婚前は北アルプス、南アルプスの主峰をことごとく踏破したのであるが、結婚、子育て、仕事の忙しさを理由にピタッと止めていた。
その間は運動らしいことはしておらず、また、この日を迎えるためのトレーニングもしていなかった。体重は恥ずかしながら標準より12kg超えて92kg、はたして標高2762m燕岳の頂上に立てるのか、大きな不安を抱えていた。
一人用テントとコンロ、非常食等詰め込んだ20kg超えのザックは肩に食い込み、徐々に力を奪っていく。30度超えの日差しも体に応える。
トレーニングを怠っていたことも手伝い、合わせて昨日の観光巡りの疲労が溜まり、体調は最悪である。
登り開始後3時間で槍ヶ岳の穂先が見えた。
少しずつ力が出てくるのはなぜだろう。
登り途中の合戦小屋で小休止し、この小屋の名物であるスイカを食べたらパワー回復する。
気を取り直して前に進む。
20kg超のザックの重さと92kg超の己の体重、年齢50歳超の不利な状況はいかんともしがたく、かつ、熱中症と戦いつつ、時には半ば意識朦朧も、それらを乗り越えてなんとか燕山荘にへばり着いたのは13時過ぎでコースタイムより2時間オーバーしたのである。
久しぶりの登山とはいえ、往年時はコースタイムを大幅にオーバーすることはなかっただけにショックを受けた。
久しぶりの北アルプス登山に自分を甘く見たのである。精神的に屈辱を感じた。
そして誓った。来年の夏は鍛えてまた北アルプスに来ると。
余計な言い訳を止めて粛々と燕山荘付近のテント場にテントを張り、身を軽くして30分登り、ついに燕岳頂上に立つ。
槍ヶ岳、穂高連峰を久しぶりに間近に見る。安らぐ山風景だ。
来年は穂高岳に登ることを決意した。
頂上で20歳後半と思われるひとりの青年に居合わせて自分から話かけた。
その青年は神奈川県座間市から来たようで仕事に悩み、落ち込んでいるところを父親から北アルプスに登ってこいといわれて今回初めて本格的に登山をしたという。
当初はひとり登山の不安が大きかったのだが周りの人に助けられてなんとか頂上に立ち、この雄大な景色を眺めると、自分はいかに小さな人間であるか、くよくよ悩むことはなんて小さいことかと思い知り、父親が背中を押してくれた理由がよくわかりましたというような主旨をいっていた。
訊くと職業は歯科医者のようである。
頑張れとエールを送った。
青年と会話後、気持ちが晴々となり自分も元気づけられた。
やっぱ山っていいなぁ。
中房温泉登山口から燕岳を目指して登ります。
久しぶりに槍ヶ岳を見て感動する。穂先がいい。
合戦小屋でスイカを食べたらパワー全開。
やっと辿り着いた稜線。ここから30分で燕岳頂上だ。
ついに燕岳頂上に立つ。
高山植物の女王であるコマクサも顔を出してくれました。
青年と再会を約束しました。
今夜の宿泊場所です。
松本城と安曇野の大王わさび農園