梅雨入り前に塩見岳日帰り登山
2021年6月12日
天気予報は6月19日あたりが梅雨入りだ。
土日の登山指数Aは6月12日しかないのでここに狙いを定めて南アルプスの百名山である標高3052m塩見岳に日帰り登山を決めた。
鳥倉林道登山口から往復24.3km 標高差2449mの日帰り登山はなかなかのハードだ。
自分の登山体力を考慮して登山時間は往復13時間と読んだ。
よって深夜0時30分に鳥倉林道登山口駐車場を出発することにした。
鳥倉林道登山口駐車場に18時30分過ぎに到着。
晩御飯の準備をしている間に、登山口方面から自転車に乗って下山してきた60歳前後の、見るからに人が良さそうな秋元康風の登山者が息を切らして帰ってきた。
聞くと、塩見岳登山してきたようで、本来は三伏小屋近くのテント⛺️で泊まって夜空を見上げながらウヰスキーを飲みたかったようだが、水場がなかったので諦めてそのまま下山したようだ。
三伏小屋の道標に20分歩くと水場があるという表示を信じて行ったのだが、水場が枯れてがっかりしたとか。
そのために三伏小屋から小河内岳ピストンを断念したようである。
車ナンバーを見ると湘南ナンバーであったが、単身赴任で三重で勤務しており、三重から南アルプス方面が近いようで最近は南アルプスに通っているという。
この方の塩見岳登山情報が大変に役に立ち、自分の心にあった不安を一掃させてくれた。
乗っていた自転車は車に積める折り畳みの自転車である。
南アルプスは駐車場から登山口までの林道は長い。
バスが通行していないので歩くことを強いられる。
今回の林道ルートは徒歩50分だが、自転車だと半減だろう。
特に疲れた下山時に自転車に乗って帰るのは楽チンそのものだ。
他の南アルプス方面だと、たとえば光岳は徒歩1時間30分、荒川岳は徒歩5時間のロングコースだ。
このコースを自転車で利用する手はない。
まさに南アルプスはバスが通行しない、懐の深い山なのである。
ちなみにこの男性は、楽天ポイントで18000円の折り畳み自転車を買ったんだって。
なるほど、車の中に積むことはできるし、車中泊の時は外に出して鍵をかければいいのだ。
この男性からいろんな登山ヒントをもらった。
これから三重に帰ると言うのでお気をつけてと、その場で別れた。
さて本題に入ろう。
前日の東京から高速道路を使わず、ひたすら国道、県道を8時間走り続けて午後18時30分過ぎに鳥倉林道登山口駐車場に着いた疲労感はまだ残っていた。
予定通り深夜0時30分過ぎに出発。
ヘッドランプを頼りに粛々と闇の世界を歩く。
夜空は満天の星が輝いて好天を約束してくれるかのようだ。
三伏峠小屋までは標準時間3時間だ。
三伏峠小屋までの6合目を過ぎると、秋元康風の男性が言ったとおり、「ほとけの清水」といって沢水が滴り落ちていた。
コップで掬って飲むと冷たくて甘い。
鳥倉林道登山口から塩見岳のルートは結果的にここしか水場がない。
三伏峠小屋、塩見小屋は閉業中で水おろか、ジュースもなく、乾いた喉には厳しい状況。
男性の指摘のとおりだった。
2リットル水筒を満タンに入れて正解だった。
三伏峠小屋に3時37分に到着。
まだまだ暗かったが、三伏山からの稜線に入ると夜明けの山々が連なり、テンションが上がった。
なかなかどうして塩見小屋は遠かった。
塩見小屋に着いたのは午前6時25分過ぎだった。
標高2700mを超えている塩見小屋は、残雪に覆われていた。
仙丈ヶ岳、北岳、間の岳、農鳥岳を間近に眺めながら朝食である稲荷寿司を頬張るのは最高に美味い。
朝食を取って体調を整え、いよいよ塩見岳へのラストスパートは1時間少々だ。
赤と黄のペンキに誘導されながら岩場をよじ登る。
途中で3回ほどニセ塩見岳山頂に騙されつつ、なんとか山頂に立ったのは午前7時52分過ぎだった。
富士山、荒川岳、赤石岳、聖岳、仙丈ヶ岳、北岳はもちろん、丹沢山地、大菩薩嶺、八ヶ岳、中央アルプス等全て眺望できた。
この素晴らしい山風景に見惚れて山頂に1時間ほど過ごした。
笑いが止まらず、塩見岳を背に鳥倉林道登山口に下山する。
11時間歩き続けるとさすがに足の裏に疲労感が襲い、最後の2時間の下山は辛かったが、なんとか生還できて安堵した。
結果は登山時間は13時間で、休憩を入れると14時間30分だった。
予想通りのハードな長丁場だったが、天気と山風景に恵まれ、ロングコースを完歩した達成感が予想以上に大きかった。
梅雨入り前に塩見岳登頂できて、とてもラッキーだ。
百名山86座 登頂 残り14座
歩行距離 24.3km 歩行時間 13時間
走行距離 504km 走行時間16時間
深夜0時30分過ぎに鳥倉林道駐車場から35分歩いて塩見岳登山口に到着。
いよいよ登山開始だ。
三伏小屋まで親切な道標。
あと200歩 嬉しい道標で元気になります。
塩見岳が姿を現しました。
富士山も少し顔を出しました。
好天の気配がします。
本谷山到着。
塩見小屋を目指します。
苦しい時のこういう励ましの道標は涙が出ます。
まだ残雪が所々にあります。
ようやく残雪に囲まれた塩見小屋に到着。
さぁ1時間少々のラストスパートだ。
塩見岳西峰登頂。
富士山絶景。
前方は西峰。
富士山いいね。
仙塩尾根。
いい感じの富士山だ。
思わず笑みがこぼれてしまいます。
次はアタックするから待ってろよ。
急勾配の岩場を慎重に下ります。
塩見小屋よ また来るね。
いい感じの縦走でした。
唯一の水場でした。
水がこんなに美味しいとは。
落ち着きのある新緑。
ようやく登山口に生還しました。
なるほど。
折り畳み自転車で登山口駐車場までスイスイ。
いいな。
登山口駐車場に到着。
お疲れ様でした。